リンパ浮腫進行における補体活性化のメカニズム

「はじめに」 リンパ浮腫は原因不明の原発性リンパ浮腫と続発性リンパ浮腫に大別される. 本邦では, がん治療に伴うリンパ節郭清や術後放射線照射などによりみられる続発性リンパ浮腫が多くを占めている. 主に婦人科がんや乳がん術後にみられることが多いが, 膀胱がんや前立腺がんの術後にもみられる. また, 乳がん術後や婦人科がんの術後約30%にリンパ浮腫が発症すると言われている. 本邦では, 1年間に新たにがんと診断された罹患数はおよそ100万人と年々増加しており, それに伴いリンパ浮腫患者も増加していくことが予想される. 術後のリンパ浮腫の発症時期は患者により様々で, 術後すぐに発症する場合や10年以...

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Published inリンパ学 Vol. 46; no. 2; pp. 78 - 81
Main Authors 西岡俊彦, 片山圭一, 馬場崇, 辻本弘, 久米川真治, 山田源, 井上徳光, 朝村真一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リンパ学会 31.12.2023
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ISSN0910-4186

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Summary:「はじめに」 リンパ浮腫は原因不明の原発性リンパ浮腫と続発性リンパ浮腫に大別される. 本邦では, がん治療に伴うリンパ節郭清や術後放射線照射などによりみられる続発性リンパ浮腫が多くを占めている. 主に婦人科がんや乳がん術後にみられることが多いが, 膀胱がんや前立腺がんの術後にもみられる. また, 乳がん術後や婦人科がんの術後約30%にリンパ浮腫が発症すると言われている. 本邦では, 1年間に新たにがんと診断された罹患数はおよそ100万人と年々増加しており, それに伴いリンパ浮腫患者も増加していくことが予想される. 術後のリンパ浮腫の発症時期は患者により様々で, 術後すぐに発症する場合や10年以上経過してから発症する場合もある. リンパ浮腫は一度発症すると根治が難しく, 蜂窩織炎を繰り返したり, 浮腫による四肢の変形によって運動障害などが出現したりすることで, 心理的・社会的問題が生じQOLが低下する.
ISSN:0910-4186