123I標識イメージング製剤による定量脳血流SPECTのための収集処理方法の標準化多施設評価と標準プロトコルによる123I-IMP脳血流SPECT像および123I-イオフルパンによるドパミントランスポータSPECTを用いた標準データベースの構築

要旨: 123I標識脳血流SPECTによる測定誤差や施設毎のばらつきを解消するための標準プロトコルの作成と統計学的脳画像解析のための正常人画像データベース(NDB)構築を目的とした. 均一減弱補正(Chang法)による測定値はCTAC法に比べ20~30%の有意な過小評価を認めた. 散乱線補正とCTAC法を合わせて行う標準プロトコルにより多施設評価を脳および頭蓋骨ファントムを用いて行った. 施設間でのSPECT値のばらつきは10%程度であった. NDBの空間分解能を統一することでさらにばらつきを減少させると考えられた. 標準プロトコルによるNDBの検証で, 認知症患者での3D-SSPによる解析で...

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Published in核医学 Vol. 54; no. 1; pp. 624 - 649
Main Authors 外山宏, 宇野正樹, 市原隆, 乾好貴, 太田誠一朗, 石黒雅伸, 伊藤健吾, 加藤克彦, 佐久間肇, 岡沢秀彦, 西堀弘記, 大橋一郎, 山崎孝浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本核医学会 2017
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ISSN0022-7854

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Summary:要旨: 123I標識脳血流SPECTによる測定誤差や施設毎のばらつきを解消するための標準プロトコルの作成と統計学的脳画像解析のための正常人画像データベース(NDB)構築を目的とした. 均一減弱補正(Chang法)による測定値はCTAC法に比べ20~30%の有意な過小評価を認めた. 散乱線補正とCTAC法を合わせて行う標準プロトコルにより多施設評価を脳および頭蓋骨ファントムを用いて行った. 施設間でのSPECT値のばらつきは10%程度であった. NDBの空間分解能を統一することでさらにばらつきを減少させると考えられた. 標準プロトコルによるNDBの検証で, 認知症患者での3D-SSPによる解析では, 頭頂側頭連合野など大脳皮質外側部は明瞭化する傾向になったが, 後部帯状回など内側部は不明瞭化する傾向であった. 内側部が不明瞭化する意義については今後検証が必要である. 123I-イオフルパンSPECTでは, 脳線条体および頭蓋骨ファントムを用いて散乱線補正とCTAC法を合わせて行う標準プロトコルで specific binding ratio (SBR) の影響を検証した. 散乱線補正なし, 減弱補正なしよりも標準プロトコルによるSBR値の方が真の値に近い値を示した.
ISSN:0022-7854