P-49 頭頸部癌診療にDental managementを導入することは, 頭頸部癌診療の質の向上に貢献する ―患者QOLの立場から
【目的】Dental management(以下, 歯科管理)を受けた頭頸部放射線治療患者(以下, 患者)の管理開始時期別の歯科的QOLの経時的変化を調査・比較し, 歯科管理の効果と最も効果的な開始時期を示すこと. 【方法】対象は1996年以降に治療に伴う口腔合併症の予防・緩和ために当科で3年以上管理された患者. 経過観察中に再発や転移が認められた患者は除外した. 歯科的QOLについては, 歯科治療や有害事象に関して, 歯冠部の治療歯髄の治療, 抜歯, 放射線骨壊死をそれぞれ1~4に重み付けし, 患者を管理開始時期別に放射線治療前, 中, 後に分けて, 治療終了後からの経時的変化と3年後の状態...
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| Published in | 日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 21; no. 4; p. 340 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本口腔腫瘍学会
2009
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| ISSN | 0915-5988 |
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| Summary: | 【目的】Dental management(以下, 歯科管理)を受けた頭頸部放射線治療患者(以下, 患者)の管理開始時期別の歯科的QOLの経時的変化を調査・比較し, 歯科管理の効果と最も効果的な開始時期を示すこと. 【方法】対象は1996年以降に治療に伴う口腔合併症の予防・緩和ために当科で3年以上管理された患者. 経過観察中に再発や転移が認められた患者は除外した. 歯科的QOLについては, 歯科治療や有害事象に関して, 歯冠部の治療歯髄の治療, 抜歯, 放射線骨壊死をそれぞれ1~4に重み付けし, 患者を管理開始時期別に放射線治療前, 中, 後に分けて, 治療終了後からの経時的変化と3年後の状態を比較した. 【成績】歯科管理が行われることにより, 歯科的健康状態を示す平均鶴触経験歯指数(DMFT)は3年間で3歯程度しか増加せず, 厚生労働省が行った平成17年度歯科疾患実態調査における同年代のDMFTの平均と比べても大きな差は認められなかった. また, われわれが独自に定義した歯科的QOLの平均は管理開始治療前中, 後でそれぞれ2.35, 3.42, 8.39であり, 管理開始時期が遅くなる程, 歯科的QOLが低下する傾向が認められた. 【結論】歯科管理は頭頸部放射線治療後の歯科的QOLの維持に有効であり, より効果的に行うには治療開始前から行う事が必要と考えられた. そして, 頭頸部癌診療に積極的に歯科管理を導入することは, 頭頸部癌診療の質の向上および医療費の削減に貢献する可能性が示された. |
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| ISSN: | 0915-5988 |