3. 認知症高齢者と義歯との関係
「I. 目的」近年の高齢化率の増加にともない, 義歯の役割の重要性は高まっている. 一方, 咀嚼時の上下歯の咬合接触が脳幹の活動に有用な刺激を及ぼすのではないかとの見解も報告されている. そこで, 介護施設において認知症高齢者の全身状態と使用義歯の調査を行い, 両者の関連について検討した. 「II. 方法」調査対象は, 特養2施設の73名および42名, 老健施設の70名, およびグループホームの25名である. 平成16年11月より本年2月まで, 義歯使用状況に関する調査, および, N-ADL, NMスケール, 臨床検査値などの評価を行い, 全身状態と義歯との関連の有無について分析を行った....
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 50; no. 1; p. 124 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本補綴歯科学会
2006
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0389-5386 |
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Summary: | 「I. 目的」近年の高齢化率の増加にともない, 義歯の役割の重要性は高まっている. 一方, 咀嚼時の上下歯の咬合接触が脳幹の活動に有用な刺激を及ぼすのではないかとの見解も報告されている. そこで, 介護施設において認知症高齢者の全身状態と使用義歯の調査を行い, 両者の関連について検討した. 「II. 方法」調査対象は, 特養2施設の73名および42名, 老健施設の70名, およびグループホームの25名である. 平成16年11月より本年2月まで, 義歯使用状況に関する調査, および, N-ADL, NMスケール, 臨床検査値などの評価を行い, 全身状態と義歯との関連の有無について分析を行った. 「III. 結果と考察」義歯装着が必要と考えられかつ義歯を使用していない調査対象者では, 義歯不要の対象者および義歯装着の対象者よりも, N-ADLとNMスケールの値が有意に小さく, 義歯不要の対象者と義歯を使用の対象者との間には, N-ADLとNMスケールの値に有意差を認めなかった. 結果より, 義歯使用にみられる口腔内の状態と心身の活動状態との間には, 何らかの関連性があるのではないかと推察された. 「IV. 文献」1)Sadamori S, Hamada T. et al. Influence of denture wearing on the stage of dementia and ADL of the elderly with severe dementia. Dentistry in Japan, 40:163-167, 2004. |
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ISSN: | 0389-5386 |