6. 大規模前向き研究からACL損傷予防を考える : UTSSIスポーツ損傷予防プロジェクト

「はじめに」スポーツを行う上で外傷・障害の発生を避けて通ることはできない. サッカーの欧州プロフェッショナルリーグにおいては1シーズンに約50%の選手がなんらかの外傷・障害を経験すると報告されている. 一度, 受傷してしまうと, 治療やリハビリテーションを要し, 競技復帰までに半年以上を要することもしばしばある上, 手術を要するような外傷では一定の割合で復帰できないことも報告されており, 予防が非常に重要になる. 特に膝前十字靱帯 (ACL) 損傷は, 原則手術療法を要し, 復帰までに6~9カ月を要する上, 再発も少なくなく, スポーツ現場では特に予防に注力されている分野である. スポーツ外傷...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 32; no. 3; pp. 371 - 374
Main Authors 武冨修治, 川口航平, 水谷有里, 武井聖良, 山神良太, 河野賢一, 村上亮, 鹿毛智文, 荒川嵩大, 藤原清香, 田中栄, 緒方徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2024
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ISSN1346-4159

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Summary:「はじめに」スポーツを行う上で外傷・障害の発生を避けて通ることはできない. サッカーの欧州プロフェッショナルリーグにおいては1シーズンに約50%の選手がなんらかの外傷・障害を経験すると報告されている. 一度, 受傷してしまうと, 治療やリハビリテーションを要し, 競技復帰までに半年以上を要することもしばしばある上, 手術を要するような外傷では一定の割合で復帰できないことも報告されており, 予防が非常に重要になる. 特に膝前十字靱帯 (ACL) 損傷は, 原則手術療法を要し, 復帰までに6~9カ月を要する上, 再発も少なくなく, スポーツ現場では特に予防に注力されている分野である. スポーツ外傷の発症には, 選手自身が持っている内的リスク因子や環境などの外的リスク因子に加えて, 受傷イベントという多因子が関わっている. 本邦では, スポーツ外傷・障害を起こした選手の身体的特徴を解析し, 怪我のリスク因子を解析する後ろ向き研究が多く行われている.
ISSN:1346-4159