難解心電図を読み解く編 その (2)

「はじめに」長年にわたって様々な心電図のオーバーリードに携わっていると, ときどき一筋縄ではいかない難解な心電図に遭遇する. ああでもない, こうでもないと首をひねってみても, すとんと腑に落ちる診断を短時間で下すのが難しく, 無理やり診断をつけても翌日になるとやっぱり間違っているのではないかと気にかかる. このような例に関しては, 心電図のコピーを取り, 後で十分な時間を取ってじっくりと考えることによって, 全貌が理解できるようになることもある. 本稿では, このような難解な心電図をいくつか取り上げ, どのような思考過程でどのように結論づければよいのか, 順を追って考えてみたい. なお, 時...

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Published in心電図 Vol. 44; no. 2; pp. 133 - 148
Main Author 加藤貴雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本不整脈心電学会 31.07.2024
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ISSN0285-1660

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Summary:「はじめに」長年にわたって様々な心電図のオーバーリードに携わっていると, ときどき一筋縄ではいかない難解な心電図に遭遇する. ああでもない, こうでもないと首をひねってみても, すとんと腑に落ちる診断を短時間で下すのが難しく, 無理やり診断をつけても翌日になるとやっぱり間違っているのではないかと気にかかる. このような例に関しては, 心電図のコピーを取り, 後で十分な時間を取ってじっくりと考えることによって, 全貌が理解できるようになることもある. 本稿では, このような難解な心電図をいくつか取り上げ, どのような思考過程でどのように結論づければよいのか, 順を追って考えてみたい. なお, 時間の経過した心電図も一部交ざっており, 記録が鮮明でない部分があることをあらかじめお断りしておく.
ISSN:0285-1660