4. 舌の状態と生活習慣および全身状態との関連性
舌の状態は全身状況を反映するといわれている. そこで, 舌の状態と生活習慣および身体状況との関連性を調べ, 歯科健診時の保健指導に応用できないかと考えた. 企業労働者296名(男287, 女9), 平均年齢36.4±9.0を対象とし, 歯科健診時に質問紙調査を実施し, 舌の規格デジタル画像を撮影した. その後, 液晶画面で再現した舌のデジタル画像をキャスマッチ(ベアーメディック, 東京)と画像処理ソフト(Photoshop CS2, adobe, 東京)により色調調整した. 調整された画像は, 視診により, 舌体の色, 舌苔の色, 舌苔の厚さ, 舌苔の範囲の4項目について, それぞれ3段階で評...
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| Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 58; no. 5; p. 566 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本口腔衛生学会
2008
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0023-2831 |
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| Summary: | 舌の状態は全身状況を反映するといわれている. そこで, 舌の状態と生活習慣および身体状況との関連性を調べ, 歯科健診時の保健指導に応用できないかと考えた. 企業労働者296名(男287, 女9), 平均年齢36.4±9.0を対象とし, 歯科健診時に質問紙調査を実施し, 舌の規格デジタル画像を撮影した. その後, 液晶画面で再現した舌のデジタル画像をキャスマッチ(ベアーメディック, 東京)と画像処理ソフト(Photoshop CS2, adobe, 東京)により色調調整した. 調整された画像は, 視診により, 舌体の色, 舌苔の色, 舌苔の厚さ, 舌苔の範囲の4項目について, それぞれ3段階で評価した. 質問紙調査の内容は, 性別, 年齢, 生活習慣, 自覚症状などの身体状況, 舌に関する意識・行動であり, それらの回答肢選択項目を健康群, 不健康群の2群に分類した. 判定した舌の兆候と質問項目との関連性について, ロジスティック回帰分析を行った. 統計処理には統計ソフト(SPSS Version 16.0 for Windows, SPSS社, 東京)を使用し, 有意水準を5%以下とした. その結果, 舌の状態は, 生活習慣および身体状況と有意の関連性を示し, 特に, 喫煙との一貫した強い関連性が示された. 今後. これらの分析結果をさらに検討し, 舌と生活習慣および全身との関連性のさらなるエビデンスを構築する必要がある. その後既存の資料と新たに構築されたエビデンスをもとに, 舌を利用した生活習慣指導チャート・マニュアルを作成し, それらを歯科健診時に利用する予定である. |
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| ISSN: | 0023-2831 |