骨盤輪不安定症における超音波検査音の検討

【目的】近年, 整形外科領域において超音波診断法が徐々に普及してきた. 骨盤輪不安定性に対する超音波診断法の可能性について調査した. 【対象および方法】14名の成人女性を対象とし, 超音波検査を用いて恥骨結合を描出し, 安静時と運動による画像の変化を調査し, 画像を比較した. 【結果】画像で恥骨は高輝度, 恥骨結合は無エコー部を呈した. 股関節伸展位, 左右股関節屈曲位の画像で, 恥骨間距離や恥骨の高さに変化が確認された. 【考案】妊婦の腰痛として骨盤輪不安定症は重要な疾患である. 評価法としてX線が一般的であるが, 妊婦では被爆の問題からX線検査には限界がある. 今回の調査で肢位による画像の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 10; no. 1; p. 174
Main Authors 瀬尾理利子, 久野木順一, 真光雄一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2004
Online AccessGet full text
ISSN1345-9074

Cover

More Information
Summary:【目的】近年, 整形外科領域において超音波診断法が徐々に普及してきた. 骨盤輪不安定性に対する超音波診断法の可能性について調査した. 【対象および方法】14名の成人女性を対象とし, 超音波検査を用いて恥骨結合を描出し, 安静時と運動による画像の変化を調査し, 画像を比較した. 【結果】画像で恥骨は高輝度, 恥骨結合は無エコー部を呈した. 股関節伸展位, 左右股関節屈曲位の画像で, 恥骨間距離や恥骨の高さに変化が確認された. 【考案】妊婦の腰痛として骨盤輪不安定症は重要な疾患である. 評価法としてX線が一般的であるが, 妊婦では被爆の問題からX線検査には限界がある. 今回の調査で肢位による画像の変化を認め, 超音波検査により骨盤輪の不安定性を診断できる可能性があることを示唆していた. 【結語】超音波検査にて, 骨盤不安定性を評価する有効性については検討の余地があるが, 今後手技の確立を要する.
ISSN:1345-9074