II-10 腰部脊柱管内嚢腫の6例

腰部脊柱管内嚢腫の治療方針について自験例6例と文献とを検討した. 自験例の治療は, 3例には透視下もしくはCTガイド下に穿刺, うち2例にはステロイドを注入した. 3例とも穿刺後症状は消失したものの早期に再発し, 6例全例に開窓・腫瘤摘出を実施, 不安定性があった1例で椎間関節固定を併用した. 術中・術後に合併症はなく平均26ヵ月の経過観察期間中嚢腫の再発もなかった. 術後の臨床症状の改善は極めて良好であった. 文献では手術での成績が最も良好であり, 自験例でも同様であった. これはわれわれの腰部脊柱管狭窄症の手術成績と比較しても良好であり, このことから腰部脊柱管内嚢腫の治療において手術は勧...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 8; no. 1; pp. 197 - 198
Main Authors 小林篤樹, 松平浩, 星和人, 星地亜都司, 中村耕三, 山崎隆志, 荒井勲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2002
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ISSN1345-9074

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Summary:腰部脊柱管内嚢腫の治療方針について自験例6例と文献とを検討した. 自験例の治療は, 3例には透視下もしくはCTガイド下に穿刺, うち2例にはステロイドを注入した. 3例とも穿刺後症状は消失したものの早期に再発し, 6例全例に開窓・腫瘤摘出を実施, 不安定性があった1例で椎間関節固定を併用した. 術中・術後に合併症はなく平均26ヵ月の経過観察期間中嚢腫の再発もなかった. 術後の臨床症状の改善は極めて良好であった. 文献では手術での成績が最も良好であり, 自験例でも同様であった. これはわれわれの腰部脊柱管狭窄症の手術成績と比較しても良好であり, このことから腰部脊柱管内嚢腫の治療において手術は勧められる. 穿刺に関しては, 文献では約4割の症例で有効であり, 自験例では穿刺した3例とも早期に症状再発したが一時は症状消失し機能診断の役割も果たしたと考えられ, 手術前に穿刺を実施する価値はある.
ISSN:1345-9074