抗血小板薬は進行がん患者における免疫関連肺臓炎のリスクを高める可能性がある
(論文の内容の要旨) 【背景】免疫チェックポイント阻害薬(immune-checkpoint inhibitor: ICI)は様々ながん種に対する適用を取得しており, 日常臨床で幅広く用いられている. ICIに特有の全身性有害事象として免疫関連有害事象があり, なかでも免疫関連肺臓炎(ICI-related pneumonitis: CIP)は致死的経過をたどることもあり臨床的重要性が高い. 近年, プロトンポンプ阻害薬や抗菌薬などの特定の併用薬剤がICIの治療効果や有害事象の発生に影響するとの報告が複数ある. しかし, これらのベースライン併用薬とCIP発生リスクの関係を調査した研究はなくそ...
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Published in | 信州医学雑誌 Vol. 72; no. 5; pp. 319 - 320 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
信州医学会
10.10.2024
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ISSN | 0037-3826 |
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Summary: | (論文の内容の要旨) 【背景】免疫チェックポイント阻害薬(immune-checkpoint inhibitor: ICI)は様々ながん種に対する適用を取得しており, 日常臨床で幅広く用いられている. ICIに特有の全身性有害事象として免疫関連有害事象があり, なかでも免疫関連肺臓炎(ICI-related pneumonitis: CIP)は致死的経過をたどることもあり臨床的重要性が高い. 近年, プロトンポンプ阻害薬や抗菌薬などの特定の併用薬剤がICIの治療効果や有害事象の発生に影響するとの報告が複数ある. しかし, これらのベースライン併用薬とCIP発生リスクの関係を調査した研究はなくその影響は不明である. 【目的】ICI治療を受けた進行がん患者におけるベースライン併用薬とCIP発生リスクの関係を明らかにすること. 【対象と方法】信州大学医学部附属病院において2014年4月1日から2021年10月31日の期間にICIを少なくとも1回以上投与された進行がん患者(悪性黒色腫, 非小細胞肺がん, 頭頸部がん, 泌尿器がん, その他のがん)511人を後方視的に検討した. |
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ISSN: | 0037-3826 |