28 椎間板内加圧注入法を併用した経皮的髄核摘出術が著効した腰椎椎間板ヘルニアの2症例

Dekompressorによる経皮的髄核摘出後に生食による椎間板内加圧注入法を施行し, 著効を得た腰椎椎間板ヘルニアの2症例を経験したので報告する. 「症例1」: 41歳男性. L5/S1脱出型ヘルニア. 左腰部から大腿部にかけての痛みで, 歩行困難であった. 同部に対し生食による椎間板内加圧注入法を施行したが疼痛増強したため, 2日後Dekompressorを用いた経皮的髄核摘出術で0.006gの髄核摘出後, 生食の用手加圧注入を行った. 直後には疼痛はほぼ消失に近い改善を認め歩行も可能となり, 現在足先のしびれのみである. 「症例2」: 29歳女性. L5/S1脱出型ヘルニア. 左臀部から...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 59; no. 1; p. 54
Main Authors 佐藤晶子, 荻原正洋, 赤嶺智教, 若山寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2011
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ISSN0037-3826

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Summary:Dekompressorによる経皮的髄核摘出後に生食による椎間板内加圧注入法を施行し, 著効を得た腰椎椎間板ヘルニアの2症例を経験したので報告する. 「症例1」: 41歳男性. L5/S1脱出型ヘルニア. 左腰部から大腿部にかけての痛みで, 歩行困難であった. 同部に対し生食による椎間板内加圧注入法を施行したが疼痛増強したため, 2日後Dekompressorを用いた経皮的髄核摘出術で0.006gの髄核摘出後, 生食の用手加圧注入を行った. 直後には疼痛はほぼ消失に近い改善を認め歩行も可能となり, 現在足先のしびれのみである. 「症例2」: 29歳女性. L5/S1脱出型ヘルニア. 左臀部から左下腿後面にかけての痛みとしびれで, 座位が困難であった. 同部に対し前症例と同様に髄核を0.124g摘出後, 生食の用手加圧注入を行い, 数時間後には左臀部痛消失, 座位可能となった. 現在まで疼痛はほとんど認められていない. 「まとめ」: 腰椎椎間板ヘルニアに対する椎間板内加圧注入法を併用したDekompressorによる経皮的髄核摘出術は, 術直後からの鎮痛効果を期待できる治療法と思われた.
ISSN:0037-3826