1 長期在宅静脈栄養から経腸栄養に移行できた1例

2年あまりの長期にわたる在宅静脈栄養管理から, 経腸栄養管理に移行できたNST介入症例について紹介する. 【症例】76歳女性. 平成8年早期胃癌にて幽門側胃切除. 平成14年3月食欲不振にて入院. その後平成16年2月自己抜去するまでHPN施行. 平成16年11月1日食欲不振のため入院. 【経過】入院後も経口摂取少なく, 誤嚥性肺炎をおこしたためTPN施行. 11月15日PTEG挿入, エレンタールで経腸栄養開始. 体重減少が続き, 担当医, 栄養士, 薬剤師による栄養カンファレンスを行う. 高Na血症, 高血糖, 嘔吐, 発熱などトラブル続く. 半消化態栄養剤メディエフで落ち着き退院方向であ...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 54; no. 2; pp. 107 - 108
Main Authors 気賀沢千香, 座光寺知恵子, 井口幸子, 新井利佳, 森川明男, 横山隆秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2006
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ISSN0037-3826

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Summary:2年あまりの長期にわたる在宅静脈栄養管理から, 経腸栄養管理に移行できたNST介入症例について紹介する. 【症例】76歳女性. 平成8年早期胃癌にて幽門側胃切除. 平成14年3月食欲不振にて入院. その後平成16年2月自己抜去するまでHPN施行. 平成16年11月1日食欲不振のため入院. 【経過】入院後も経口摂取少なく, 誤嚥性肺炎をおこしたためTPN施行. 11月15日PTEG挿入, エレンタールで経腸栄養開始. 体重減少が続き, 担当医, 栄養士, 薬剤師による栄養カンファレンスを行う. 高Na血症, 高血糖, 嘔吐, 発熱などトラブル続く. 半消化態栄養剤メディエフで落ち着き退院方向であったが, 認知症症状が進行しPTEG自己抜去繰り返す. PTEGはボタン式とし, 経済的理由から栄養剤はエレンタールで5月17日退院する. 週2回訪問看護行う. 【考察】体重やアルブミン値の著明な増加は見られなかったが, 自力座位の時間が長くなるなど活動的変化が見られた. 多くのトラブルが発生したが, 医師, 看護師とNSTメンバーとの良いコミュニケーションがはかられ退院につながった. 現在は入院患者のみのNST活動であるが, 在宅医療へのNST介入が今後の課題となる.
ISSN:0037-3826