8. 多発性骨髄腫における末梢血幹細胞移植のクリティカルパスの改善を試みて

[研究目的]当病棟では, 1999年から末梢血幹細胞移植(以下, PBSCTとする)において, クリティカルパス(以下, パスとする)を導入している. 今回, これまでのパスの使用状況について振り返り, 問題点を明確にすること, そしてパスの改善を行い, よりよい効果的なパスの導入を図っていきたいと考えた. [研究方法]1. 研究期間:2001年12月-2002年1月 2. 前回のPBSCTのクリティカルパス使用患者事例のカルテレビュー 3. クリティカルパスの改善使用評価 [結果考察] 3事例のカルテレビューの結果, 患者用のパスは, 専門用語が多く, 患者にとってわかりにくいという問題点が...

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Published in医療マネジメント学会雑誌 Vol. 3; no. 2; pp. 376 - 377
Main Authors 松本美千代, 廣瀬順子, 力石美和, 長谷川幸代, 天貝恵子, 宮本佳代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療マネジメント学会 2002
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ISSN1345-6903

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Summary:[研究目的]当病棟では, 1999年から末梢血幹細胞移植(以下, PBSCTとする)において, クリティカルパス(以下, パスとする)を導入している. 今回, これまでのパスの使用状況について振り返り, 問題点を明確にすること, そしてパスの改善を行い, よりよい効果的なパスの導入を図っていきたいと考えた. [研究方法]1. 研究期間:2001年12月-2002年1月 2. 前回のPBSCTのクリティカルパス使用患者事例のカルテレビュー 3. クリティカルパスの改善使用評価 [結果考察] 3事例のカルテレビューの結果, 患者用のパスは, 専門用語が多く, 患者にとってわかりにくいという問題点が抽出された. 更に, 医療者用のパスにおいては, アウトカムとバリアンスの項目が不足しており, 単なる予定表となっていたことが明らかとなった. このことは, 患者の経過が具体的に評価できていなかった要因ではないかと推測する. また, 現在のPBSCTは, 以前と比べ, 与薬処置などの内容が簡略化されているため, パスの内容の見直しが必要であり現状に即していないことも問題となった. これらの問題を踏まえて, 検討を重ねた患者用のパスは, 専門用語をさけ, 図を取り入れ視覚的にも捉えやすいものとした. 医療者用のパスは, アウトカムとバリアンスの項目を設け具体的に評価できるものとした. これらの改善の結果, 従来のパスより, より患者のニーズに応えられるパスとなったと考える. 今後も患者の意見を反映できるパスの改善を図っていきたい.
ISSN:1345-6903