18. 妊娠授乳期乳癌に対するR2手術―大小胸年年骨付着部切離反転術式を用いた乳癌根治術―乳房温存から拡大郭清まで

妊娠授乳期乳癌は, 進行乳癌のことが多く, しかも患者の多くが若く, 美容的にも満足のいく手術を希望するため, しばしば手不法に苦慮することがある. われわれは, 両者を満足させる術式として大小胸筋温存のR2手術-大小胸筋肋骨付着部切離反転術式を用いた乳癌根治術(乳房温存から拡大郭清まで)を行っているのでその術式と結果について報告する. 【対象】1996年6月から1998年7月までの妊娠授乳期乳癌3例(St. II 2, St III a 1例) 【術式】手術は, 大小胸筋温存の腋窩鎖骨下郭清を基本とし, 内側中心部腫瘤では胸骨傍郭清を併施する, 乳頭から3cm以上離れた腫瘤径3cm以下の腫瘤...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 49; no. 3; pp. 219 - 220
Main Authors 星野和男, 仲村匡也, 小林光伸, 堤裕史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 1999
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ISSN1343-2826

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Summary:妊娠授乳期乳癌は, 進行乳癌のことが多く, しかも患者の多くが若く, 美容的にも満足のいく手術を希望するため, しばしば手不法に苦慮することがある. われわれは, 両者を満足させる術式として大小胸筋温存のR2手術-大小胸筋肋骨付着部切離反転術式を用いた乳癌根治術(乳房温存から拡大郭清まで)を行っているのでその術式と結果について報告する. 【対象】1996年6月から1998年7月までの妊娠授乳期乳癌3例(St. II 2, St III a 1例) 【術式】手術は, 大小胸筋温存の腋窩鎖骨下郭清を基本とし, 内側中心部腫瘤では胸骨傍郭清を併施する, 乳頭から3cm以上離れた腫瘤径3cm以下の腫瘤で, 乳房温存を強く願う場合は, 乳房温存とする. 本術式の利点は, 1. 大小胸筋を肋骨付着部で切離し反転することにより, 腋窩前壁が上方にオープンされ腋窩鎖骨下の郭清が直視下に定乳切と同等に行える. 2. 上, 中, 下の各胸筋神経が極めて容易に確認温存できる. 3. 胸骨傍郭清を併施した時でも, 大胸筋が上を覆うため肋骨欠損部の醜形が残らない. 4. 乳房温存術でもR2の郭清ができ, 術後治療の指標が得られる. 【結果】全例で治癒手術が施行でき, 現在まで全例が健存中である.
ISSN:1343-2826