2. 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群に対する当院の取り組み

BRCA1/2変異を原因とする遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)は, 乳癌を関連癌とする遺伝性腫瘍の一つである. 当施設では2010年12月よりHBOC遺伝カウンセリングを開始した. 診療の実際を紹介するとともに, 地域基幹病院における新規モデルとしてのポイントを考察した. 常勤外科医師9名(うち臨床遺伝専門医1名)と非常勤遺伝カウンセラー2名を構成員とし, 2010年12月から2011年4月まで, 11例にカウンセリングをおこない, 7例に遺伝子検査を実施した. カウンセラーの出張で対応した為, ポスト新設なしで診療体制を構築した. また, 外科医師の“ゆるく”積極的な家族歴聴取で症例を拾い上げ,...

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Published in山口医学 Vol. 61; no. 1/2; p. 76
Main Authors 荒田尚, 武田正, 竹原裕子, 森廣俊昭, 清田正之, 勝田浩, 中川仁志, 田中屋宏爾, 青木秀樹, 竹内仁司, 西田千夏子, 田村智英子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 01.05.2012
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ISSN0513-1731

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Summary:BRCA1/2変異を原因とする遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)は, 乳癌を関連癌とする遺伝性腫瘍の一つである. 当施設では2010年12月よりHBOC遺伝カウンセリングを開始した. 診療の実際を紹介するとともに, 地域基幹病院における新規モデルとしてのポイントを考察した. 常勤外科医師9名(うち臨床遺伝専門医1名)と非常勤遺伝カウンセラー2名を構成員とし, 2010年12月から2011年4月まで, 11例にカウンセリングをおこない, 7例に遺伝子検査を実施した. カウンセラーの出張で対応した為, ポスト新設なしで診療体制を構築した. また, 外科医師の“ゆるく”積極的な家族歴聴取で症例を拾い上げ, 不足した情報を事前に再度聴取しておくことで, カウンセリング当日の限られた診療時間を活用した. 地方都市にも遺伝カウンセリング需要があることが確認され, 当施設の診療体制は, 地域病院において実施可能なモデルになると考えられた.
ISSN:0513-1731