3. 腎動脈瘤のコイル塞栓療法(2症例の臨床経過)

腎動脈瘤は, 近年検診のエコー検査やCT・MRIなど画像検査により偶発的に発見されることが多い. 今回我々はIVRにて治療した腎動脈瘤2症例を経験したので, その後の臨床経過も含め報告する. 症例1は67歳, 女性. 2007年5月に, CTで偶発的に左腎に径2cmのring状石灰化を伴う病変を認め紹介初診. CT, DSAにて左腎動脈下極枝より出ている嚢状型の動脈瘤であった. コイル塞栓を2007年7月4日に施行した. 症例2は43歳, 女性. 2009年1月に左側腹部痛にてエコーで左腎の水腎と腎盂近傍に拍動を伴う径1.5cmの嚢状腫瘤を認め紹介初診. 左腎動脈腹側枝より出ている嚢状型の動脈...

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Published in山口医学 Vol. 59; no. 3; p. 147
Main Authors 荒巻和伸, 林伸, 是永佳仁, 矢野誠司, 三井博, 那須誉人, 林田重昭, 岡田宗正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2010
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ISSN0513-1731

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Summary:腎動脈瘤は, 近年検診のエコー検査やCT・MRIなど画像検査により偶発的に発見されることが多い. 今回我々はIVRにて治療した腎動脈瘤2症例を経験したので, その後の臨床経過も含め報告する. 症例1は67歳, 女性. 2007年5月に, CTで偶発的に左腎に径2cmのring状石灰化を伴う病変を認め紹介初診. CT, DSAにて左腎動脈下極枝より出ている嚢状型の動脈瘤であった. コイル塞栓を2007年7月4日に施行した. 症例2は43歳, 女性. 2009年1月に左側腹部痛にてエコーで左腎の水腎と腎盂近傍に拍動を伴う径1.5cmの嚢状腫瘤を認め紹介初診. 左腎動脈腹側枝より出ている嚢状型の動脈瘤であった. 2009年4月8日にコイル塞栓を施行した. 2つの症例とも腎動脈の第1分枝からの動脈瘤であり, 合併症として支配動脈流域の一部に梗塞を起こした. その後現在までに症例1は2年6ヵ月, 症例2は9ヵ月経過観察したが動脈瘤の再疎通や増大は認めていない.
ISSN:0513-1731