習慣的なヒスチジン摂取とエネルギー摂取量との負の相関:女子栄養関連学科新入生を対象とした横断研究(p. 329-334)
近年, 神経ヒスタミンの前駆体であるヒスチジンの摂食抑制作用が示唆されている. そこで, 習慣的なヒスチジン摂取とエネルギー摂取量との関連について1,689名の栄養関連学科女子新入生(18歳)を対象に検討した. 既に妥当性が検討されている自記式食事歴法質問票を用いて, 過去1ヵ月間の栄養素摂取量を調査した. ヒスチジン摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量(ヒスチジン/タンパク質比)は, 共に摂取エネルギーと有意な正の相関を認めた. 身長, 体重, 身体活動レベル, 摂食速度などの既知および可能性のある交絡因子を調整した後も同様の結果であった(ヒスチジン:r=0.62, ヒスチジン/...
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| Published in | 日本栄養・食糧学会誌 Vol. 58; no. 6; p. 352 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本栄養・食糧学会
2005
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-3516 |
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| Summary: | 近年, 神経ヒスタミンの前駆体であるヒスチジンの摂食抑制作用が示唆されている. そこで, 習慣的なヒスチジン摂取とエネルギー摂取量との関連について1,689名の栄養関連学科女子新入生(18歳)を対象に検討した. 既に妥当性が検討されている自記式食事歴法質問票を用いて, 過去1ヵ月間の栄養素摂取量を調査した. ヒスチジン摂取量とタンパク質摂取量当たりのヒスチジン摂取量(ヒスチジン/タンパク質比)は, 共に摂取エネルギーと有意な正の相関を認めた. 身長, 体重, 身体活動レベル, 摂食速度などの既知および可能性のある交絡因子を調整した後も同様の結果であった(ヒスチジン:r=0.62, ヒスチジン/タンパク質比:0.12). さらに, 他のアミノ酸および食事性因子の影響を取り除くために, タンパク質摂取量あるいはヒスチジン以外のアミノ酸等で追加的に調整したところ, エネルギー摂取量とのあいだに有意な負の相関が観察された(ヒスチジン:r=-0.22, ヒスチジン/タンパク質比:-0.23). 以上, ヒト研究において不可避である多様な交絡要因の影響を考慮した結果, 習慣的なヒスチジン摂取がエネルギー摂取を抑制する可能性が示唆された. |
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| ISSN: | 0287-3516 |