百寿者における食事パターンと生命予後の関係(p.133-138)
我々は1992年より東京在住の100歳以上の超高齢者(百寿者)を対象に訪問調査を中心とした学際的研究を行っているが, そのうち栄養学的調査から, 百寿者の食事パターンの特徴として乳類を好む傾向が挙げられることを報告した. そこで本研究では百寿者の食事パターンと生命予後との関係について検討した. 1992年から1999年までの間に計104名の百寿者(男性29名, 女性75名, 平均年齢100.3±0.9歳)から食事データが得られた. 食事データは百寿者および家族の同意のもと, 調理者に連続3日間記録してもらい, 解析に供した. クラスター分析によって食事パターンを分類すると, 野菜類を好むパター...
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Published in | 日本栄養・食糧学会誌 Vol. 56; no. 4; p. 260 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本栄養・食糧学会
2003
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ISSN | 0287-3516 |
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Summary: | 我々は1992年より東京在住の100歳以上の超高齢者(百寿者)を対象に訪問調査を中心とした学際的研究を行っているが, そのうち栄養学的調査から, 百寿者の食事パターンの特徴として乳類を好む傾向が挙げられることを報告した. そこで本研究では百寿者の食事パターンと生命予後との関係について検討した. 1992年から1999年までの間に計104名の百寿者(男性29名, 女性75名, 平均年齢100.3±0.9歳)から食事データが得られた. 食事データは百寿者および家族の同意のもと, 調理者に連続3日間記録してもらい, 解析に供した. クラスター分析によって食事パターンを分類すると, 野菜類を好むパターン(n=33), 乳類を好むパターン(n=26), 嗜好飲料類を好むパターン(n=10), 穀類を好むパターン(n=35)の4群に分類できた. 2001年時には28名の百寿者が健在であり, Kaplan-Meier法を用いて各群の生存曲線を比較すると, 乳類を好むパターンがもっとも生存率が高く, とくに嗜好飲料類を好むパターンより有意に高かった(p=0.048). 各群で百寿者の年齢, 性別, ADL, 認知機能, 栄養状態, 病歴に有意差はなく, 乳類を好む食事パターンがさらなる長寿に関連している可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0287-3516 |