麻酔科学教室の研究3本柱と展望

「はじめに」麻酔科領域は臨床麻酔だけでなく, 術前合併症の把握と対策, 術後ICUを含めた長期予後の対策, あらゆる痛みに対する領域など研究できる範囲は広い. 1990年代から, 麻酔管理と疾病の予後が大きく取り沙汰され, EBMで示されてきた. 私は初代教授の西邑信男先生に, 臨床研究とその方法を教えていただき, 2代目小川龍先生に, さらにフリーラジカル, ガス状メディエータ等の基礎研究を教授された. 臨床医学に長く携われるためのやりがいは, 麻酔関連の持続的研究である. 私が主任教授になって, 機序不明の意識出現に関連した麻酔機序解明と言った大きな展望が必要と感じた. 麻酔科研究の方向性...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 119 - 120
Main Author 坂本篤裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.04.2024
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ISSN1349-8975

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Summary:「はじめに」麻酔科領域は臨床麻酔だけでなく, 術前合併症の把握と対策, 術後ICUを含めた長期予後の対策, あらゆる痛みに対する領域など研究できる範囲は広い. 1990年代から, 麻酔管理と疾病の予後が大きく取り沙汰され, EBMで示されてきた. 私は初代教授の西邑信男先生に, 臨床研究とその方法を教えていただき, 2代目小川龍先生に, さらにフリーラジカル, ガス状メディエータ等の基礎研究を教授された. 臨床医学に長く携われるためのやりがいは, 麻酔関連の持続的研究である. 私が主任教授になって, 機序不明の意識出現に関連した麻酔機序解明と言った大きな展望が必要と感じた. 麻酔科研究の方向性として, HP上に3つの大きなテーマと臨床研究の大切さを載せた. 解明されていない全身麻酔の作用機序, 慢性痛一掃を目指した神経障害性疼痛の解明, 重症患者管理を念頭においたショックの病態解明である.
ISSN:1349-8975