急性心筋梗塞患者におけるエンドセリン-1およびインターロイキン-6の再灌流後の動態と産生部位についての研究

「目的」: 急性心筋梗塞(AMI)の再灌流療法(CR)における血中Endothelin-1(ET-1)ならびにInterleukin-6(IL-6)の産生部位を明らかにし, 両者の動態を調べること. 「対象と方法」: 対象は, 1992年から1997年までに日本医科大学付属病院集中治療室に入院した発症12時間以内のAMIでCR成功25例. CR前, 後1時間, 8時間, 24時間にて大腿静脈(FV), 右房(RA), 肺動脈(PA), 大腿動脈(FA)より採血し, ET-1およびIL-6濃度を測定. さらに25例中5例にて冠静脈洞(CS)からも採血し, 全身血管床: FV-FA, 冠血管床:...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 3; no. 2; p. 113
Main Authors 今泉孝敬, 子島潤, 木内要, 竹田晋浩, 清野精彦, 田中啓治, 高野照夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2007
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ISSN1349-8975

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Summary:「目的」: 急性心筋梗塞(AMI)の再灌流療法(CR)における血中Endothelin-1(ET-1)ならびにInterleukin-6(IL-6)の産生部位を明らかにし, 両者の動態を調べること. 「対象と方法」: 対象は, 1992年から1997年までに日本医科大学付属病院集中治療室に入院した発症12時間以内のAMIでCR成功25例. CR前, 後1時間, 8時間, 24時間にて大腿静脈(FV), 右房(RA), 肺動脈(PA), 大腿動脈(FA)より採血し, ET-1およびIL-6濃度を測定. さらに25例中5例にて冠静脈洞(CS)からも採血し, 全身血管床: FV-FA, 冠血管床: CS-FA, 肺血管床: FA-PAと, 以上の濃度差を求め, ET-1, IL-6それぞれの湧出とし, 比較検討した. 「結果」: 血漿ET-1濃度は中心静脈圧と相関し, うっ血を反映. 採血部位別ではFVにて, 経時的にはCR後1時間で, 湧出では全身血管床にて最も高値で同部位からの主たる産生と考えた. 一方, 血漿IL-6濃度はCKピーク値ならびに血清CRP濃度と強く相関し, 心筋壊死と炎症の程度を反映. 採血部位別には有意差を認めず, 経時的にはCR24時間後で最も高値. また湧出では冠血管床が最も高値で, 同部位からの主たる産生と考えた.
ISSN:1349-8975