1)感染性心内膜炎の1例
症例は38歳女性. 高熱を主訴に他院に入院しPAPM/BP, CLDMを使用したが, 敗血症とDICの合併を指摘され当院救命救急センターに転院. WBC22,500/mm3, Hb12.5g/dl, PLT48,000/mm3, CRP23.21mg/dl, BT38.4℃, 血液培養でS. aureusを検出した. SBT/ABPC6g, FOY2,000mg, γグロブリン製剤ならびに低アルブミン血症(2.3g/dl)に対しアルブミン製剤を追加した. 入院3日目に収縮期雑音を聴取したため心臓超音波検査を施行した. 僧帽弁逆流と僧帽弁に疣贅を認めたため感染性心内膜炎と診断し, 集中治療部に転...
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 68; no. 2; pp. 206 - 207 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2001
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ISSN | 1345-4676 |
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Summary: | 症例は38歳女性. 高熱を主訴に他院に入院しPAPM/BP, CLDMを使用したが, 敗血症とDICの合併を指摘され当院救命救急センターに転院. WBC22,500/mm3, Hb12.5g/dl, PLT48,000/mm3, CRP23.21mg/dl, BT38.4℃, 血液培養でS. aureusを検出した. SBT/ABPC6g, FOY2,000mg, γグロブリン製剤ならびに低アルブミン血症(2.3g/dl)に対しアルブミン製剤を追加した. 入院3日目に収縮期雑音を聴取したため心臓超音波検査を施行した. 僧帽弁逆流と僧帽弁に疣贅を認めたため感染性心内膜炎と診断し, 集中治療部に転科した. うっ血性心不全に対し, 利尿薬とカテコラミンの追加とともに持続的血液濾過透析, 人工呼吸器による呼吸管理を開始した. 治療薬は低分子ヘパリン, ATIII, ジゴキシン, 輸血(MAPならびに1血小板)の追加など多岐にわたり, 抗生剤, 抗真菌薬を適宜変更したが, 経過中にMRSA感染を併発しVCMを使用した. 入院40日目に感染所見は改善し(WBC5,840/mm3,, PLT198,000/mm3, CRP5.37mg/dl)胸部外科に転科し僧帽弁置換術を施行した. 術後経過は順調で術後16日目に一般病棟に転出した. 本例は敗血症に引き続きDICならびに感染性心内膜炎を併発, 院内の多数の診療部門の協力で救命できた. さらに重症感染症の治療戦略の一つとして持続的血液濾過透析をはじめとする血液浄化療法も炎症物質の除去ならびにエンドトキシン吸着を目的に使用されはじめており, 興味ある症例と考え報告する. |
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ISSN: | 1345-4676 |