7)ゼラチンアレルギーの1例
症例は2歳6カ月の男児で, 1歳の頃から感冒の際に喘鳴を認めていた. 今回ゼラチンを含むお菓子(グミキャンデー)を食べた2時間後に全身に膨疹が出現し, その1カ月後に再び同製品を食べたところ膨疹と喘鳴を認め当科に入院した. 入院後約4時間で膨疹は消失し喘鳴も軽快した. ゼラチンIgEを測定したところ入院時と退院時ともに上昇を認めた. 最近施行のリンパ球刺激試験でもゼラチンに対して陽性を示した. 以上からゼラチンアレルギーと診断した. 予防接種では三種混合の1期追加までと麻疹の接種を副反応なく終了している. ゼラチンは生物製剤に安定剤や賦活剤として添加されている. 患児は予防接種で特に副反応を認...
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          | Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 63; no. 4; p. 301 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本医科大学医学会
    
        1996
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| ISSN | 1345-4676 | 
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| Summary: | 症例は2歳6カ月の男児で, 1歳の頃から感冒の際に喘鳴を認めていた. 今回ゼラチンを含むお菓子(グミキャンデー)を食べた2時間後に全身に膨疹が出現し, その1カ月後に再び同製品を食べたところ膨疹と喘鳴を認め当科に入院した. 入院後約4時間で膨疹は消失し喘鳴も軽快した. ゼラチンIgEを測定したところ入院時と退院時ともに上昇を認めた. 最近施行のリンパ球刺激試験でもゼラチンに対して陽性を示した. 以上からゼラチンアレルギーと診断した. 予防接種では三種混合の1期追加までと麻疹の接種を副反応なく終了している. ゼラチンは生物製剤に安定剤や賦活剤として添加されている. 患児は予防接種で特に副反応を認めなかったが, その後のゼラチンを含むお菓子の摂取でアレルギー反応を起こしており, 予防接種で感作された可能性もある. 予防接種の問診でゼラチンを含む食品に関するアレルギーをぜひ問うべきだと考える. | 
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| ISSN: | 1345-4676 |