20. 看護師が持つ, 看護師-医師関係に関する意識の現状-アンケート結果から今後の課題を示唆する
日本における看護師-医師関係は, その歴史的背景から, 医療チーム内の良きパートナーというよりも, むしろ従属的関係が根強く残っているように感じられる. しかし, 社会ニーズの変化に応じて看護職の専門性の高まりや, 看護教育システムの変化にともない, このような関係がチーム医療を行っていく上で, より良い医療ケアの提供に良い影響を与えないのではないかと考えた. アメリカでは, 1967年にStei が, その関係を看護師-医師ゲームと称して, 医師が看護師より優位であり, 看護師は医師の機嫌を損ねないように辛抱強く我慢する訓練を受けてきていると述べた. しかし, 1990年には, 看護師の自律...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 53; no. 4; p. 706 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本農村医学会
2004
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ISSN | 0468-2513 |
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Summary: | 日本における看護師-医師関係は, その歴史的背景から, 医療チーム内の良きパートナーというよりも, むしろ従属的関係が根強く残っているように感じられる. しかし, 社会ニーズの変化に応じて看護職の専門性の高まりや, 看護教育システムの変化にともない, このような関係がチーム医療を行っていく上で, より良い医療ケアの提供に良い影響を与えないのではないかと考えた. アメリカでは, 1967年にStei が, その関係を看護師-医師ゲームと称して, 医師が看護師より優位であり, 看護師は医師の機嫌を損ねないように辛抱強く我慢する訓練を受けてきていると述べた. しかし, 1990年には, 看護師の自律性の勢いが1つの要因となり, その関係が終りを遂げつつあると述べ, 同年にアメリカの雑誌“Nursing90”が行った, 一般の看護師の読者向けに行ったアンケート調査からも明確となった. 日本においては, この関係を雑誌“EXPERT NURSE”が1990年と1999年にアメリカと同様の内容の調査を行っている. 結果的に, 日本においては, その関係を従属的と捉えている看護師が依然多いことが報告されている. そこで, 当院においても, 上記と同じ内容のアンケート調査を行い, 看護師が医師との関係をどのように捉えているのかを知り, 医療チームとして成熟した関係がもてるようにするのに, 看護師の役割を明らかにしようと考え, そのための実態調査を行ったので報告する. 〔対象〕塩谷総合病院に勤務する看護師, 准看護師. |
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ISSN: | 0468-2513 |