6 Lewy小体病における抗シヌクレイン療法

「はじめに」Parkinson病 (Parkinson disease : PD) はα-シヌクレイン (α-synuclein : αS) を主要構成成分とする神経細胞内封入体 (Lewy小体 ; Lewy body : LB) 出現を病理学的特徴とするLewy小体病 (LB disease : LBD) の代表的疾患である. 病態の原因を1分子に還元するというプロテイノパチーとよばれる考えに基づくと, LBDはシヌクレイノパチーとよばれる上位概念に包括される. αSは生理的には特定の構造を有さない小型のタンパク質であるが, 遺伝子変異/重複や物理化学的ストレスにより異常な折りたたみ (mi...

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Published in神経治療学 Vol. 42; no. 2; pp. 79 - 83
Main Author 長谷川隆文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 15.05.2025
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ISSN0916-8443

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Summary:「はじめに」Parkinson病 (Parkinson disease : PD) はα-シヌクレイン (α-synuclein : αS) を主要構成成分とする神経細胞内封入体 (Lewy小体 ; Lewy body : LB) 出現を病理学的特徴とするLewy小体病 (LB disease : LBD) の代表的疾患である. 病態の原因を1分子に還元するというプロテイノパチーとよばれる考えに基づくと, LBDはシヌクレイノパチーとよばれる上位概念に包括される. αSは生理的には特定の構造を有さない小型のタンパク質であるが, 遺伝子変異/重複や物理化学的ストレスにより異常な折りたたみ (misfolding) を生じ凝集性・毒性を獲得する. このことから, LBD/シヌクレイノパチーに対する疾患修飾療法の多くは異常凝集したαSの低減・除去に焦点を当て開発が進んできた.
ISSN:0916-8443