9. 神経アミロイドーシスのすべて - 2017年診療ガイドライン

「はじめに」アミロイドーシスとは, 種々の前駆蛋白質から形成された難溶性のアミロイド線維が全身諸臓器に沈着し機能障害を起こす疾患群の総称である. 様々な前駆蛋白質がアミロイドーシスを引き起こすことが知られており, アミロイド線維が特定の臓器に限局して沈着する限局性アミロイドーシスと, 全身諸臓器に沈着する全身性アミロイドーシスに大別される. 家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloid polyneuropathy:FAP)は, 代表的な遺伝性アミロイドーシスであり, トランスサイレチン(transthyretin:TTR), ゲルソリン, アポリポ蛋白質AI, β2-...

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Bibliographic Details
Published in神経治療学 Vol. 35; no. 3; pp. 174 - 178
Main Authors 増田曜章, 植田光晴, 安東由喜雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 25.12.2018
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ISSN0916-8443

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Summary:「はじめに」アミロイドーシスとは, 種々の前駆蛋白質から形成された難溶性のアミロイド線維が全身諸臓器に沈着し機能障害を起こす疾患群の総称である. 様々な前駆蛋白質がアミロイドーシスを引き起こすことが知られており, アミロイド線維が特定の臓器に限局して沈着する限局性アミロイドーシスと, 全身諸臓器に沈着する全身性アミロイドーシスに大別される. 家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloid polyneuropathy:FAP)は, 代表的な遺伝性アミロイドーシスであり, トランスサイレチン(transthyretin:TTR), ゲルソリン, アポリポ蛋白質AI, β2-ミクログロブリンなどが前駆蛋白質として知られている. 中でも圧倒的に患者数が多いのは, トランスイサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(ATTR-FAP)である. TTRの遺伝子変異はこれまでに140種以上の点変異が報告され, 30番目のバリン(Va1)がメチオニン(Met)に置換したV30M変異型が最も多く, 熊本県や長野県に世界的な集積地がある.
ISSN:0916-8443