微量元素学会発足まで

微量元素学会発足の経緯について, 現時点で残っている資料を元に振り返ってみた. 1968(昭和43年)群馬大学医学部衛生学教室に赴任直後, 群馬県内でカドミウムによる環境汚染が発生したことが, 私がカドミウム研究に入る直接のきっかけとなった. たまたま米国シンシナチ大学環境医学研究所でのフルブライト交換研究員として2年間ウラニウムの腎中毒の研究を終えて帰国した直後でもあった. その後, カドミウムの研究を進めていくうちに, 種々の金属の相互作用を考えるようになり, もっと大きなテーマで広い分野の研究者とともに高額の予算をグループでもらおうと文部省科学研究費特定研究申請をした. 1983(昭和5...

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Published inBIOMEDICAL RESEARCH ON TRACE ELEMENTS Vol. 20; no. 3; pp. 209 - 210
Main Author 野見山一生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本微量元素学会 2009
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ISSN0916-717X

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Summary:微量元素学会発足の経緯について, 現時点で残っている資料を元に振り返ってみた. 1968(昭和43年)群馬大学医学部衛生学教室に赴任直後, 群馬県内でカドミウムによる環境汚染が発生したことが, 私がカドミウム研究に入る直接のきっかけとなった. たまたま米国シンシナチ大学環境医学研究所でのフルブライト交換研究員として2年間ウラニウムの腎中毒の研究を終えて帰国した直後でもあった. その後, カドミウムの研究を進めていくうちに, 種々の金属の相互作用を考えるようになり, もっと大きなテーマで広い分野の研究者とともに高額の予算をグループでもらおうと文部省科学研究費特定研究申請をした. 1983(昭和58年), 申請課題名は「微量元素のバイオキネティクス」であった. 班員は土屋健三郎先生, 不破敬一郎先生, 山県登先生, 内山充先生, 木村修一先生, 吉川博先生, 大沢利昭先生, 佐野晴洋先生, 野見山であった. そして「微量元素のバイオキネティクス」班主催でシンポジウムを開催した.
ISSN:0916-717X