パーキンソン病に対する短期間でのリハビリテーションの効果について
「目的」パーキンソン病に対する短期間でのリハビリテーションの効果について検討した. 「対象」1998年8月から2000年10月までに当院に入院したパーキンソン病の患者のうち自身が担当した43例. 平均罹病期間は5年7ヶ月. 平均入院日数は36日. リハビリテーションの平均日数は33日. 重症度はヤール分類でステージ2が7例, ステージ3が20例, ステージ4が16例. 「方法」入院後72時間以内のADL評価と退院前72時間以内のADLをBarthel指数とFunctional Independence Measure(FIM)を用いて重症度ごとに評価し, 入院時と退院時の点数を比較した. 「成...
Saved in:
Published in | リハビリテーション医学 Vol. 38; no. suppl; p. S293 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
2001
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0034-351X |
Cover
Summary: | 「目的」パーキンソン病に対する短期間でのリハビリテーションの効果について検討した. 「対象」1998年8月から2000年10月までに当院に入院したパーキンソン病の患者のうち自身が担当した43例. 平均罹病期間は5年7ヶ月. 平均入院日数は36日. リハビリテーションの平均日数は33日. 重症度はヤール分類でステージ2が7例, ステージ3が20例, ステージ4が16例. 「方法」入院後72時間以内のADL評価と退院前72時間以内のADLをBarthel指数とFunctional Independence Measure(FIM)を用いて重症度ごとに評価し, 入院時と退院時の点数を比較した. 「成績」Barthel指数では総合点では有意差を認めず, 項目別では移乗で各群とも改善を認めた(p<0.05). FIMにおける評価では各群の総合点で改善を認めた(p<0.05). 項目別で自立レベルまで改善が見られたものは, ステージ2群では階段昇降, 歩行(p<0.01), ステージ3群では歩行, ベッド移乗(p<0.01), ステージ4群では, 食事, トイレ移乗であった(p<0.01). 「結論」約30日という比較的短期間でパーキンソン病のリハビリテーションを行う場合, ステージ2群では段差, 応用歩行といった外出を目標とし, ステージ3群では歩行, 移乗といった室内活動を目標とし, ステージ4群では食事, 排泄といった身の回り動作を目標として訓練を集中的に行うことが効果的である. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |