28. 唾液分泌低下症においてpulse Doppler所見は何を表しているのか
【目的】酸刺激前後に生じる, 顎下腺内を走行する顔面動脈の枝のpulse Doppler所見の変動が, 唾液分泌低下症症例において何を表しているのかを探ること. 【方法】対象はSjogren症候群を含む唾液分泌低下症患者67例. 対象の顎下腺内を走行する顔面動脈の枝に対しUSによるpulse Doppler検査を行い, 10%酒石酸0.5mlによる刺激前後のVmaxの値を計測し, Vmaxの変化率を比較した. 刺激後のVmaxは, 酸刺激後約10秒間の最大Vmaxとした. 【結果】刺激時唾液分泌量とVmaxの変化率には弱い相関しか認められなかったが, 唾液分泌を抑制するような薬剤の服用数とVm...
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| Published in | 歯科放射線 Vol. 47; no. 1/4; p. 144 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本歯科放射線学会
2007
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| ISSN | 0389-9705 |
Cover
| Summary: | 【目的】酸刺激前後に生じる, 顎下腺内を走行する顔面動脈の枝のpulse Doppler所見の変動が, 唾液分泌低下症症例において何を表しているのかを探ること. 【方法】対象はSjogren症候群を含む唾液分泌低下症患者67例. 対象の顎下腺内を走行する顔面動脈の枝に対しUSによるpulse Doppler検査を行い, 10%酒石酸0.5mlによる刺激前後のVmaxの値を計測し, Vmaxの変化率を比較した. 刺激後のVmaxは, 酸刺激後約10秒間の最大Vmaxとした. 【結果】刺激時唾液分泌量とVmaxの変化率には弱い相関しか認められなかったが, 唾液分泌を抑制するような薬剤の服用数とVmaxの変化率との間に中程度の負の相関が認められ, 服用薬剤数が多いほどVmaxの変化率の平均が低くなる傾向が認められた. 【考察】Vmaxの変化率が少ないほど薬剤により唾液分泌抑制が起きている可能性が高いこと, また服用薬剤の大部分は副交感神経抑制に関与していることから推定すると, Vmaxの変化率の低下は, 副交感神経抑制によるものと判断して矛盾しない所見と考えられた. |
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| ISSN: | 0389-9705 |