O-21. 顎関節部Synovial Chondromatosis 4例の経過観察

【目的】Synovial Chodromatosisは, 滑膜および関節腔内に軟骨形成を伴う化生変化をきたす疾患であり, いわゆる腫瘍性疾患とは異なり単に増大のみを呈するものではない. 今回われわれは, その変化をMR画像上で把握することを目的に, 遡及的な検討を行うこととした. 【方法】大阪大学歯学部附属病院歯科放射線科で, Synovial Chodromatosisとの画像診断がなされた症例のうち, 該当部に外科的処置が行われない状態で1年以上の間隔をおいてMR検査を行ったものにつき, そのMR画像上での変化を観察した. 【結果】4例(観察期間1年10箇月から6年8箇月)のうち, 3例で...

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Published in歯科放射線 Vol. 47; no. 1/4; p. 95
Main Authors 笹井正思, 中谷温紀, 柿本直也, 内山百夏, 村上秀明, 古川惣平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 2007
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ISSN0389-9705

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Summary:【目的】Synovial Chodromatosisは, 滑膜および関節腔内に軟骨形成を伴う化生変化をきたす疾患であり, いわゆる腫瘍性疾患とは異なり単に増大のみを呈するものではない. 今回われわれは, その変化をMR画像上で把握することを目的に, 遡及的な検討を行うこととした. 【方法】大阪大学歯学部附属病院歯科放射線科で, Synovial Chodromatosisとの画像診断がなされた症例のうち, 該当部に外科的処置が行われない状態で1年以上の間隔をおいてMR検査を行ったものにつき, そのMR画像上での変化を観察した. 【結果】4例(観察期間1年10箇月から6年8箇月)のうち, 3例で低信号小腫粒様領域の増大と, T2wIでの高信号領域の拡大を認めた. 1例では低信号小腫粒様領域の変化は定かではなかったがT2wIでの高信号領域の縮小を認めた. 【考察】3例で見られたMR画像の変化は軟骨の形成や滑膜部の様相を反映するものと考えられ, Milgram(1977)が述べた滑膜骨軟骨腫症の第2期(transitional lesions with both active intrasynovial proliferation and free loose bodies)に相当するものと考えられた. 1例で見られたT2wIでの高信号領域の縮小は, 第2期から第3期(many free osteochondral bodies with no demonstrable intrasynovial disease)への移行に相当するものと考えられた. 【結論】Synovial Chodromatosisの病期による変化をMR所見の変化として確認し得たものと考えた.
ISSN:0389-9705