イメージングプレートを用いたディジタル口内法X線撮影システム

ダイナミックレンジが広いイメージングプレートを使用していることから, Digoraシステム(Orion/Soredex, Finland)では照射線量がかなり変化しても均一なイメージが出力される. 前回の本総会では, 校正(Calibration)による濃度補償について報告した. すなわち照射線量範囲を設定するために, 使用する可能性のある最大線量を被写体のない状態でイメージングプレートに照射することである. その結果, イメージングプレートへの照射線量が設定した最大線量の10%から100%の範囲内ならば, 濃度とコントラストにおいて一様な画像が得られた. この他にも, Digoraシステムに...

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Published in歯科放射線 Vol. 37; no. suppl; p. 125
Main Authors 早川吉彦, 澁谷仁志, 黒柳錦也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 1997
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ISSN0389-9705

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Summary:ダイナミックレンジが広いイメージングプレートを使用していることから, Digoraシステム(Orion/Soredex, Finland)では照射線量がかなり変化しても均一なイメージが出力される. 前回の本総会では, 校正(Calibration)による濃度補償について報告した. すなわち照射線量範囲を設定するために, 使用する可能性のある最大線量を被写体のない状態でイメージングプレートに照射することである. その結果, イメージングプレートへの照射線量が設定した最大線量の10%から100%の範囲内ならば, 濃度とコントラストにおいて一様な画像が得られた. この他にも, Digoraシステムには照射線量補償の仕組みとして, Brightness Correction of Automatic Grayscale Adjustment, Brightness Offset of Next Readoutがある. ユーザーはこれらのパラメータの設定を一定の範囲内で行える. そこで, これらを用いた照射線量補償の仕組みについて検討した. Automatic Grayscale Adjustment SetupとReadout Setupのパラメータを設定可能な範囲内(-100から+100%まで)で組み合わせて, dental QA jaw phantom(Model 501, Radiation Measurements Inc.)を撮影した. X線発生装置にはCoronis 20(朝日レントゲン工業)を用いた. その結果, Automatic Grayscale Adjustment Setupは, グレイレベルの広い範囲でコントラストを高く保ちながら画像を出力させるように働いた. また, 広い線量応答範囲において出力される画像のコントラストを高くした. 一方, Readout Setupも同様な影響を及ぼし, Automatic Grayscale Adjustment SetupがONの状態では両者が相乗的に働いた. 照射線量補償の仕組みを適当なパラメータの設定で活用することによって, brightnessやcontrastを変えて思い通りの画像に近づける操作を省いたり, あるいは容易にすることができる. Digoraシステムにおけるこのような照射線量補償の方法は, 濃度とコントラストを調整し, システムの使いやすさを向上させるメリットがあると思われる.
ISSN:0389-9705