産業保健における子育て支援システムの研究

子育て支援は, 産業保健において重要な課題となってきている. 病児を抱えながら働く母親のストレスは, 特に高いことが予想され, 今回, 病児を抱える母親を対象にストレス調査を行った. 対象は, 乳幼児健診ワクチン接種(10人), 気管支喘息(5人), 感染症(8人), NICUフォローアップ外来(10人)を子どもが受診した母親で, ストレスの指標としてGHQ28を使用し, 母親の仕事の状態, 児の病気の状態との関連を解析した. 感染症の子どもを持つ母親の精神健康度が, 予想以上に悪い. 子どもの感染症は子育て中に誰もが遭遇することであり, ワクチン接種等の予防法を啓発するなど, 産業保健スタッ...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 44; no. 5; p. 210
Main Authors 岩政琢, 古海勝彦, 安次富郁哉, 舟谷文男, 白川嘉継, 白幡聡, 有吉宣明, 津田恵次郎, 濱本史明, 梶原康巨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 2002
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ISSN1341-0725

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Summary:子育て支援は, 産業保健において重要な課題となってきている. 病児を抱えながら働く母親のストレスは, 特に高いことが予想され, 今回, 病児を抱える母親を対象にストレス調査を行った. 対象は, 乳幼児健診ワクチン接種(10人), 気管支喘息(5人), 感染症(8人), NICUフォローアップ外来(10人)を子どもが受診した母親で, ストレスの指標としてGHQ28を使用し, 母親の仕事の状態, 児の病気の状態との関連を解析した. 感染症の子どもを持つ母親の精神健康度が, 予想以上に悪い. 子どもの感染症は子育て中に誰もが遭遇することであり, ワクチン接種等の予防法を啓発するなど, 産業保健スタッフの病気の理解と職場での啓発が必要である. 実際の産業保健現場における子育て支援を具体的に進めるためは, 母子手帳や各種ガイドライン等を参考に客観的な指標の作成が望まれ, 子育て支援に必要な要素を整理する必要がある.
ISSN:1341-0725