緊急的気管支鏡治療とその応用

気管支鏡は, 各種の気道病変に対して広く使用されている. われわれは, 胸腔鏡手術の導入に伴い, その状況に応じて気管支ファイバースコープを胸腔鏡に応用し, 胸腔鏡下手術を施行している. 最近の当科における緊急的気管支鏡および胸腔鏡下治療に関して臨床的検討を加えた. 対象は1994年1月から1995年12月までに当科で施行された気管支鏡および胸腔鏡検査, 治療160例中緊急的内視鏡治療を施行した24例を対象とした. 年齢は5歳から93歳で, 男性21例, 女性3例であった. 疾患の内訳は癌性気管支狭窄5例, 気管支内異物2例, 難治性気胸1例, 気管膜様部損傷1例, 気管支瘻1例, 無気肺6例...

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Published in気管支学 Vol. 18; no. 3; p. 30
Main Authors 岡田信一郎, 狩野寛治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1996
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ISSN0287-2137

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Summary:気管支鏡は, 各種の気道病変に対して広く使用されている. われわれは, 胸腔鏡手術の導入に伴い, その状況に応じて気管支ファイバースコープを胸腔鏡に応用し, 胸腔鏡下手術を施行している. 最近の当科における緊急的気管支鏡および胸腔鏡下治療に関して臨床的検討を加えた. 対象は1994年1月から1995年12月までに当科で施行された気管支鏡および胸腔鏡検査, 治療160例中緊急的内視鏡治療を施行した24例を対象とした. 年齢は5歳から93歳で, 男性21例, 女性3例であった. 疾患の内訳は癌性気管支狭窄5例, 気管支内異物2例, 難治性気胸1例, 気管膜様部損傷1例, 気管支瘻1例, 無気肺6例, 気管食道瘻1例, 出血による気道閉塞1例, 外傷性胸膜下血腫1例, 外傷性血胸5例である. 内視鏡治療の内訳は, 気管支内ステント留置術3例, 気管支鏡下高周波メス切除4例, 気管支鏡下フィブリングルー塞栓術1例, 気管膜様部縫合術1例, 気道内血腫除去術1例, 胸腔鏡気管支鏡併用下大網充填術1例, bronchial toilet6例, 気管支内異物摘出術2例(Laryngeal mask使用), 胸腔鏡下血腫除去術6例であった. 結果:全例重篤な合併症はなく, 当初の緊急的目的は達せられた. まとめ:各種の処置具, 器具等の発達と工夫により気管支鏡の適応範囲はさらに拡大するものと思われる.
ISSN:0287-2137