破裂脳動脈瘤の発症12日目に別の未破裂脳動脈瘤が破裂した1例
「抄録」67歳女性. 以前より左中大脳動脈・脳底動脈本幹・左海綿静脈洞部内頚動脈に未破裂脳動脈瘤を指摘されていた. 突然に激しい頭痛・嘔気が出現し, その5日後に他院でsubarachnoid hemorrhage (SAH) を指摘されたため, 当院紹介となった. CTで左シルビウス裂・左大脳半球脳溝を中心にSAHを認めるも, 脳幹周囲には認めなかった. 緊急DSAでは, 左中大脳動脈瘤は4.9mmでblebを伴っていたが, 脳底動脈瘤は6.5mm, 左内頚動脈瘤は2.9mmで, いずれもblebはなかった. 左中大脳動脈瘤の破裂と考え, 緊急で同部位にコイル塞栓術を施行し, ほぼ完全閉塞さ...
Saved in:
Published in | 川崎医学会誌 Vol. 44; no. 1; pp. 11 - 17 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
川崎医学会
2018
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-5924 |
Cover
Summary: | 「抄録」67歳女性. 以前より左中大脳動脈・脳底動脈本幹・左海綿静脈洞部内頚動脈に未破裂脳動脈瘤を指摘されていた. 突然に激しい頭痛・嘔気が出現し, その5日後に他院でsubarachnoid hemorrhage (SAH) を指摘されたため, 当院紹介となった. CTで左シルビウス裂・左大脳半球脳溝を中心にSAHを認めるも, 脳幹周囲には認めなかった. 緊急DSAでは, 左中大脳動脈瘤は4.9mmでblebを伴っていたが, 脳底動脈瘤は6.5mm, 左内頚動脈瘤は2.9mmで, いずれもblebはなかった. 左中大脳動脈瘤の破裂と考え, 緊急で同部位にコイル塞栓術を施行し, ほぼ完全閉塞された. しかし, 第12病日に突然昏睡状態となり, CTで橋腹側を中心に新たなSAHを認めた. 脳底動脈瘤の破裂と診断し, 緊急コイル塞栓術を行った. 術後意識状態は改善し, NPHに対しVPシャントを追加し, mRS1で自宅退院となった. 短期間で2個の動脈瘤が破裂した比較的稀な症例と考えられ, 報告する. |
---|---|
ISSN: | 0386-5924 |