経過観察中に脳動脈瘤の自然発生した2例
初回入院時の脳血管写上, 正常血管であった部分に後に脳動脈瘤が現われ, クモ膜下出血発作をきたした2例を経験したので, 若干の考察を加え報告した. いずれも更年期の女性で, 初回発作後高血圧症が発生, 9年(47歳~56歳時)と7年(52歳~59歳時)の間に脳動脈瘤が新生し破裂した. それぞれ脳動脈瘤の新生部位は, 左中大脳動脈三岐部, 左内頸動脈-後交通動脈分岐部であった. この間, 2例とも血液化学所見には異常を認めなかった. 考察および結論:成人の脳動脈瘤の発生には, 脳動脈の分岐角度, 高血圧によるhemodynamic stressesの増大, atherosclerosisその他の...
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| Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 56 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本脳神経外科学会
1983
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0470-8105 |
Cover
| Summary: | 初回入院時の脳血管写上, 正常血管であった部分に後に脳動脈瘤が現われ, クモ膜下出血発作をきたした2例を経験したので, 若干の考察を加え報告した. いずれも更年期の女性で, 初回発作後高血圧症が発生, 9年(47歳~56歳時)と7年(52歳~59歳時)の間に脳動脈瘤が新生し破裂した. それぞれ脳動脈瘤の新生部位は, 左中大脳動脈三岐部, 左内頸動脈-後交通動脈分岐部であった. この間, 2例とも血液化学所見には異常を認めなかった. 考察および結論:成人の脳動脈瘤の発生には, 脳動脈の分岐角度, 高血圧によるhemodynamic stressesの増大, atherosclerosisその他の血管壁変化が重要な後天的因子であろうと思われた. また, いずれも更年期女性例であり, hormonal changeとの関連が推定された. |
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| ISSN: | 0470-8105 |