STA-MCA吻合術におけるpitfall

目的:脳動脈高度狭窄例はその発症形式がminor stroke, slow progressing strokeのことが多くSTA-MCA吻合術(EIAB)の適応となることが多い. しかしこれらにEIABを行うと高頻度に術後狭窄部の閉塞を来し, 症状の悪化を伴うことがある. 本報告の目的は症状悪化の原因および対策を病変部位脳循環動態面より明らかにすることにある. 症例:EIABを行った83例中動脈高度狭窄例は15例(MCA本幹10, ICA 5)である. うち8例(MCA4, ICA4例)に術後2~3週の脳血管写で狭窄部を認めた. うち一時的ないしは恒久的な神経症状の悪化した3例はいずれも狭窄...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 19; no. suppl; p. 85
Main Authors 河瀬斌, 水上公宏, 田沢俊明, 荒木五郎, 柚木和太, 長田乾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1979
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ISSN0470-8105

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Summary:目的:脳動脈高度狭窄例はその発症形式がminor stroke, slow progressing strokeのことが多くSTA-MCA吻合術(EIAB)の適応となることが多い. しかしこれらにEIABを行うと高頻度に術後狭窄部の閉塞を来し, 症状の悪化を伴うことがある. 本報告の目的は症状悪化の原因および対策を病変部位脳循環動態面より明らかにすることにある. 症例:EIABを行った83例中動脈高度狭窄例は15例(MCA本幹10, ICA 5)である. うち8例(MCA4, ICA4例)に術後2~3週の脳血管写で狭窄部を認めた. うち一時的ないしは恒久的な神経症状の悪化した3例はいずれも狭窄部がM_1 , C_1-2 で眼動脈・後交通動脈からの側面血行を受けがたい部位にあった. これらの例の術前rCBFは28~49ml/100g/min. と低下し, また側副血行であるleptomeningeal anastomosisを介する逆行性血流もほとんどみられなかった.
ISSN:0470-8105