レーザー温療法の確立に向けて, MRI温度モニターの基礎的研究

「目的」頭蓋内腫瘍性病変に対する低侵襲療法として, 温熱療法の応用の確立を目指すにあたり, 加温された病変及び周囲正常脳の, 非侵襲的かつリアルタイム温度変化の把握が必要と考えられる. 我々は温度モニターとしてMRIを, 温熱療法源としてレーザー光を用いて, 腫瘍性病変に対する低侵襲療法の確立を目指し, 動物実験を行った. 「方法」使用したレーザーは, 波長が980nmの半導体レーザーである. New Zealand white rabbitに全身麻酔を行い, 前頭部に小開頭を設け, レーザーファイバー(Quartz fiber,core 600μm)を前頭葉白質に挿入した. レーザーの出力は...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 20; no. 3; p. 313
Main Authors 厚見秀樹, 金田道寛, 松前光紀, 儘田佳明, 津金隆一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 1999
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ISSN0288-6200

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Summary:「目的」頭蓋内腫瘍性病変に対する低侵襲療法として, 温熱療法の応用の確立を目指すにあたり, 加温された病変及び周囲正常脳の, 非侵襲的かつリアルタイム温度変化の把握が必要と考えられる. 我々は温度モニターとしてMRIを, 温熱療法源としてレーザー光を用いて, 腫瘍性病変に対する低侵襲療法の確立を目指し, 動物実験を行った. 「方法」使用したレーザーは, 波長が980nmの半導体レーザーである. New Zealand white rabbitに全身麻酔を行い, 前頭部に小開頭を設け, レーザーファイバー(Quartz fiber,core 600μm)を前頭葉白質に挿入した. レーザーの出力は, 連続および間欠的照射の2種類とし, total 180secで照射した. またfiber-optic thermometerを挿入し脳組織温を測定した. MRIによりphase signal changeを温度計測結果として, 画像表示を行った. 「結果」各ピクセル毎の相対的温度計測が可能でありリアルタイムモニターとしてMRIの有用性が示唆された. 連続, 間欠的レーザー照射による温度変化率および加温領域の変化が明らかになり, 病変のみに有効な加温療法が行える可能性が示唆された.
ISSN:0288-6200