13. 末梢血幹細胞採取業務における輸血部検査技師の役割とその経済効果
当院では, 平成10年より輸血部にて末梢血幹細胞採取業務を行っている. 採取予定前日からXE-2100(Sysmex)を用いてIMI(immature information)を測定し, その数を指標に最適な採取時期を予測することができ, 患者への負担を軽減するとともに, 入院患者稼働率の上昇にも貢献することが出来た(平成12年本学会にて報告). さらに平成14年7月, 輸血部検査技師にてフローサイトメトリーによるCD34陽性細胞数の測定(Beckman Coulter:Stem-Kit)を開始した. これにより, 当日採取したCD34陽性細胞数から, 目標値の幹細胞が採取できたか否か, これ...
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| Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 52; no. 1; p. 104 |
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| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本輸血学会
2006
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0546-1448 |
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| Summary: | 当院では, 平成10年より輸血部にて末梢血幹細胞採取業務を行っている. 採取予定前日からXE-2100(Sysmex)を用いてIMI(immature information)を測定し, その数を指標に最適な採取時期を予測することができ, 患者への負担を軽減するとともに, 入院患者稼働率の上昇にも貢献することが出来た(平成12年本学会にて報告). さらに平成14年7月, 輸血部検査技師にてフローサイトメトリーによるCD34陽性細胞数の測定(Beckman Coulter:Stem-Kit)を開始した. これにより, 当日採取したCD34陽性細胞数から, 目標値の幹細胞が採取できたか否か, これ以上続けても必要量の幹細胞を採取できない症例であるのか, などの判断をし, 採取終了, 中止を決定することが出来る. このシステムで採取回数を減らすことが出来たと思われる症例が, 平成14年度2例, 平成15年度4例, 平成16年度4例あった. CD34陽性細胞を採取後直ちに測定することで, (1)外注検査よりもより新鮮な細胞で測定を行い, より信頼性のあるデータを提供することができた. (2)採取回数を減少させ, 患者の負担軽減, 採取にかかるコストの削減に貢献することができた. CD34細胞数の測定は熊本県下の病院は, 院内では行っておらず, 幹細胞採取を行っている6つの病院はすべて外注検査(関東地方での検査)となっている. 今後これらの検査を請け負い, 地域に貢献できるような取り組みも試みる予定である. |
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| ISSN: | 0546-1448 |