5. 当院における廃棄製剤の減少の推移

当院ではH9年12月より輸血部における輸血製剤の一元管理を開始し, 推定1500万円ほどあった廃棄製剤を380万円まで減少させたことは, H12年の同学会にて報告した. その後, 更に廃棄額を滅少させることが出来たので, 今後の課題を含めて考察する. 【結果】H11年度380万円, H12年度373万円H13年度371万円H14年度には349万円, と, 金額にするとほぼ横ばい状態であったが, 廃棄額を購入金額で比した廃棄率は, H12年度1.34%, H13年度1.54%, H14年度1.65%と増加していた. H14年8月より中央検査部の協力を得, 2人体制の日直時のみ時間外交差試験を開始...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 51; no. 1; p. 59
Main Authors 原田美保, 坂本福美, 阿部ゆかり, 吉田千晶, 笹田景子, 中満三容子, 福吉葉子, 米村雄士, 岡部紘明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2005
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ISSN0546-1448

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Summary:当院ではH9年12月より輸血部における輸血製剤の一元管理を開始し, 推定1500万円ほどあった廃棄製剤を380万円まで減少させたことは, H12年の同学会にて報告した. その後, 更に廃棄額を滅少させることが出来たので, 今後の課題を含めて考察する. 【結果】H11年度380万円, H12年度373万円H13年度371万円H14年度には349万円, と, 金額にするとほぼ横ばい状態であったが, 廃棄額を購入金額で比した廃棄率は, H12年度1.34%, H13年度1.54%, H14年度1.65%と増加していた. H14年8月より中央検査部の協力を得, 2人体制の日直時のみ時間外交差試験を開始し, 続いて12月より完全に輸血検査の24時間体制を開始した. また, 過剰オーダーに対し, 臨床との話し合いや輸血部教官の外来における輸血コンサルテーションなどの場を設けることで, その結果生じる備蓄製剤の期限切れや, 一般病棟での未使用による廃棄を減少させることが出来た. その結果, H15年には廃棄額は255万円(廃棄率1.0%)に減少した. 今年度はさらに減少するペースである. 【結語】輸血検査の24時間体制をとったことは, 廃棄製剤を減少させる効果があった. 話し合いやコンサルテーションなどで, 臨床側との関わりを密にすることで, 廃棄製剤を減少させることが出来た. 【考察】今後も, 臨床側との話し合いを更に密にしていくことで, 廃棄製剤の減少, 適正使用の推進につながるものと考えられる.
ISSN:0546-1448