18.カラム凝集法によるIgG型抗A,抗B抗体測定の特異性について

IgG型抗A, 抗B抗体価測定は, 2-メルカプトエタノール(2-ME)やジチオスレイトール(DTT)で前処理を行い抗グロブリン法で検査を行う. 今回, カラム凝集法(IgGカセット)にて抗A, 抗B抗体価測定を実施したところ, ジチオスレイトール(DTT)未処理の検体であったが, 従来法で検査を行ったジチオスレイトール(DTT)処理の結果と同じであった. この点に疑問を感じ, 検討を行ったので報告する. [材料及び方法]被件検体はEDTA採血の血漿を用いた. カラム凝集法は, IgGカセット(オーソ社製)を用い, 血漿, Liss(OAES オーソ社製), 1%A血球(又はB血球)それぞれ4...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 1; p. 113
Main Authors 江頭貞臣, 二宗みのり, 中田弘, 稲葉頌一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2004
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ISSN0546-1448

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Summary:IgG型抗A, 抗B抗体価測定は, 2-メルカプトエタノール(2-ME)やジチオスレイトール(DTT)で前処理を行い抗グロブリン法で検査を行う. 今回, カラム凝集法(IgGカセット)にて抗A, 抗B抗体価測定を実施したところ, ジチオスレイトール(DTT)未処理の検体であったが, 従来法で検査を行ったジチオスレイトール(DTT)処理の結果と同じであった. この点に疑問を感じ, 検討を行ったので報告する. [材料及び方法]被件検体はEDTA採血の血漿を用いた. カラム凝集法は, IgGカセット(オーソ社製)を用い, 血漿, Liss(OAES オーソ社製), 1%A血球(又はB血球)それぞれ40μl分注, 37℃15分インキュベート後, 遠心判定した. 試験管法は, ジチオスレイトール(DTT)処理血漿100μlに3%血球試薬50μl分注し, 37℃1時間インキュベートし血球洗浄機にて3回洗浄後, IgG特異性クームス血清を滴下, 遠心判定を行った. [結果及び考察]検討の結果, ジチオスレイトール(DTT)処理を行った従来法と未処理検体を用いたカラム凝集法による差は認められず, IgM抗体の影響はほとんど見られなかった. カラム凝集法での抗体価測定は, 短時間で検査が終了すること, 判定時のバラツキがなく経時的変動を確認する方法として有効と思われる. また, 施設間比較が可能なことなどの利点があると考えられた.
ISSN:0546-1448