10.当院における貯血式自己血輸血

【背景および目的】平成13年4月より新病院に移転し, 臨床検査科で輸血管理理の一元化を開始した. また自己血普及のため採血を当番制とし各診療科の協力を得た. 今回, 当院における貯血式自己血輸血の状況および問題点につき検討した. 【対象および方法】平成12年4月から平成14年3月まで当院で施行した貯血式自己血輸血. 自己血輸血を行っている診療科は内科, 外科, 整形外科, 心臓血管外科, 泌尿器科, 産婦人科であった. 【結果】貯血式自己血輸血採血回数はそれぞれ平成12年度では127回, 平成13年度では269回, 平成14年度では224回であった. 採取人数は平成13年度では176人, 平成...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 49; no. 6; p. 782
Main Authors 角南一貴, 福田俊一, 後藤象悟, 有江啓二, 谷崎眞行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 2003
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

More Information
Summary:【背景および目的】平成13年4月より新病院に移転し, 臨床検査科で輸血管理理の一元化を開始した. また自己血普及のため採血を当番制とし各診療科の協力を得た. 今回, 当院における貯血式自己血輸血の状況および問題点につき検討した. 【対象および方法】平成12年4月から平成14年3月まで当院で施行した貯血式自己血輸血. 自己血輸血を行っている診療科は内科, 外科, 整形外科, 心臓血管外科, 泌尿器科, 産婦人科であった. 【結果】貯血式自己血輸血採血回数はそれぞれ平成12年度では127回, 平成13年度では269回, 平成14年度では224回であった. 採取人数は平成13年度では176人, 平成14年度では145人であった. 同種血回避率は平成13年度では92%, 平成14年度では81%であった. 採血時のトラブルにより自己血を破棄した回数は8回あり, 原因としては溶血, 空気混入であった. さらに, 採血困難にて目標量に達しなかった例が5例あった. 【考察】輸血管理を一元化することによって, 自己血の管理およびデータ収集が容易となった. 自己血採血の当番制を行うことによって自己血採血件数も増え, 安全な輸血を推進することができた. しかし, 100%同種血輸血を回避できてはおらず, 採血時のトラブルが少なからずあるため, さらに改善していく必要があると考えられた.
ISSN:0546-1448