HBV父児間感染の一面
父親がHBe抗原, e抗原陽性のキャリアーで, 父児間感染を心配して来院した8家族の子供13人, 及びその配偶者8人のHBV感染状況を検討した. 母親は全員HBs抗体が陽性であった. 子供は4家族中4人(4/13, 30%)がキャリアー, 何れも第1子であり, HBs抗体陽性は1人(1/13, 7%). HBV未感染は8人であった. キャリアー化した4人のうち2人の母親には児出産前後に急性B型肝炎歴が存在した. 母親の妊娠後半期の一過性感染後の母児間感染によるものと考えられた. また, 1人は1歳時Cianotti病に罹患後, キャリアー化した. 家族内水平感染によるものと考えられる. この様...
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| Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 33; no. 1; p. 76 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本輸血学会
1987
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| ISSN | 0546-1448 |
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| Summary: | 父親がHBe抗原, e抗原陽性のキャリアーで, 父児間感染を心配して来院した8家族の子供13人, 及びその配偶者8人のHBV感染状況を検討した. 母親は全員HBs抗体が陽性であった. 子供は4家族中4人(4/13, 30%)がキャリアー, 何れも第1子であり, HBs抗体陽性は1人(1/13, 7%). HBV未感染は8人であった. キャリアー化した4人のうち2人の母親には児出産前後に急性B型肝炎歴が存在した. 母親の妊娠後半期の一過性感染後の母児間感染によるものと考えられた. また, 1人は1歳時Cianotti病に罹患後, キャリアー化した. 家族内水平感染によるものと考えられる. この様に, HBV父児間感染は母児間感染ほどではないにしても, その感染率は高く, 予防対策は必要と考えられ, またその感染経路に関しては, 父→子, 父→母→子の両者の存在することが考えられ, それぞれに対応した予防が必要であると考えられる. |
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| ISSN: | 0546-1448 |