界面活性剤の体外循環への応用
体外循環中の溶血防止を目的として, 非イオン性の界面活性剤であるpluronic F-68を使用し著明な効果をえた. PF-68は, 総循環血液量1ccあたり1mgの割合に添加した. 動物実験では, 気泡型人工心肺使用例で, 循環60分値非添加群のPlasma Hemoglobinは66mg/dl, 添加群17mg/dlであった. また円板型人工心肺使用例では, それぞれ120分値55mg/dl, 21mg/dlであり, 何れも部分灌流法にて行なった. 臨床例の溶血を, 非添加, 群と添加群に分けて, 平均値を比較すると, 60分値で前者は44mg/dl, 後者は20mg/dlであった. 血小...
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          | Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 17; no. 3/4; p. 93 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本輸血学会
    
        1970
     | 
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| ISSN | 0546-1448 | 
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| Summary: | 体外循環中の溶血防止を目的として, 非イオン性の界面活性剤であるpluronic F-68を使用し著明な効果をえた. PF-68は, 総循環血液量1ccあたり1mgの割合に添加した. 動物実験では, 気泡型人工心肺使用例で, 循環60分値非添加群のPlasma Hemoglobinは66mg/dl, 添加群17mg/dlであった. また円板型人工心肺使用例では, それぞれ120分値55mg/dl, 21mg/dlであり, 何れも部分灌流法にて行なった. 臨床例の溶血を, 非添加, 群と添加群に分けて, 平均値を比較すると, 60分値で前者は44mg/dl, 後者は20mg/dlであった. 血小板の術後の変動では, 添加群の方が非添加群に比して少なかった. 酸塩基平衡, 電解質, 残余窒素, 尿素窒素, 脂質代謝の変動では添加群, 非添加群との間に著明な差異はない. また, 問題となっている術後アミラーゼ値の上昇は, 27例について比較したが, 術後1-3日目は数例に上昇するものもあるが, 1週間後には正常値に復する. 1mg/cc添加においては, 添加群, 非添加群に特異な差はないと思われる. 120分間循環後の実験イヌの肺組織所見では, 添加群に出血および充血所見が少なかったが, 症例数が少ないため(5例), 今後検討してゆきたいと思う. | 
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| ISSN: | 0546-1448 |