I-4-7 脳卒中急性期嚥下障害スクリーニング(GUSS)の有用性

【背景】脳卒中急性期嚥下障害スクリーニング(GUSS:The Gugging Swallowing Screen)は, 水飲みテストと異なり半固形物質より評価を始めること, 得点により嚥下障害の状態を4段階に分類しそれに合わせた食事形態の指針まで示していることが特徴である. 【目的】GUSSを導入することにより, 脳卒中急性期患者の嚥下性肺炎の合併が減少するかについて検討する. 【対象と方法】急性期脳血管障害の入院患者のうち, 意識レベルJCS1桁の45症例を対象に, 入院から3日以内にGUSSを用いて主治医, 看護師, 歯科衛生士が, 嚥下評価を行い, 入院後の嚥下性肺炎の発生頻度を検討した...

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Published in日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 13; no. 3; p. 302
Main Authors 松本省二, 田中弘二, 古賀優子, 田中公裕, 川尻真和, 山田猛, 橋本裕美子, 山下文子, 藤尾志都子, 佐々木ひとみ, 石井妙子, 永渕由紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 2009
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ISSN1343-8441

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Summary:【背景】脳卒中急性期嚥下障害スクリーニング(GUSS:The Gugging Swallowing Screen)は, 水飲みテストと異なり半固形物質より評価を始めること, 得点により嚥下障害の状態を4段階に分類しそれに合わせた食事形態の指針まで示していることが特徴である. 【目的】GUSSを導入することにより, 脳卒中急性期患者の嚥下性肺炎の合併が減少するかについて検討する. 【対象と方法】急性期脳血管障害の入院患者のうち, 意識レベルJCS1桁の45症例を対象に, 入院から3日以内にGUSSを用いて主治医, 看護師, 歯科衛生士が, 嚥下評価を行い, 入院後の嚥下性肺炎の発生頻度を検討した. GUSSによる嚥下評価を行わなかった44症例を対照群とした. 【結果】GUSS施行群45人中15例(33%)にGUSSで嚥下障害ありと判定された. 両群間に, 年齢, 入院時NIHSSスコアに関して有意な差はなかった. 新規肺炎の発生はGUSS評価群で1/45例(2%), 対照群では4/44例(9%)であった(p=0.173). 【結論】GUSSを用いて早期より嚥下評価を行うことにより, 急性期脳血管障害における嚥下性肺炎を減少させる可能性がある.
ISSN:1343-8441