脳卒中機能辞価(SIAS)を用いたオーサリングソフトウェアの試作

我々は, 過去3年間理学療法についてコンピュータ学習支援ソフト(CAI)の試作をしている. 試作ソフトに対する学生や教育関係者の反応は良好であった. しかし, ソフトの開発費用や労力, プログラムのアルゴリズムに対する関心は非常に低かった. 現在のコンピュータの加速度的な進化と普及に比較して, 理学療法分野でのアプリケーションソフトの開発は非常に遅れている印象を受ける. 今回, 当科で開発された脳卒中機能評価(Stroke Impairment Assessment Set :SIAS)のオーサリングソフトウェアを試作したので報告する. アプリケーションソフトの対象と概要 このアプリケーション...

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Published in理学療法学 Vol. 27; no. suppl-2; p. 364
Main Authors 上迫道代, 寺門早苗, 八並光信, 小林賢, 今井覚志, 須藤彰一, 市川雅彦, 東海林淳一, 田中直次郎, 遠藤敏, 正門由久, 木村彰男, 千野直一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 2000
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ISSN0289-3770

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Summary:我々は, 過去3年間理学療法についてコンピュータ学習支援ソフト(CAI)の試作をしている. 試作ソフトに対する学生や教育関係者の反応は良好であった. しかし, ソフトの開発費用や労力, プログラムのアルゴリズムに対する関心は非常に低かった. 現在のコンピュータの加速度的な進化と普及に比較して, 理学療法分野でのアプリケーションソフトの開発は非常に遅れている印象を受ける. 今回, 当科で開発された脳卒中機能評価(Stroke Impairment Assessment Set :SIAS)のオーサリングソフトウェアを試作したので報告する. アプリケーションソフトの対象と概要 このアプリケーションソフトは, 理学療法士や作業療法士でSIASに興味を持っている, あるいは実際に使用している者を対象に開発した. 開発ソフトはAuthorware5.0jコマーシャル版(コマーシャル版は, 著作権が保護され, マクロメディア社のロゴ表示義務と開発ソフトの提出により, 同社へのロイヤリティーが免責される)である. プログラムの概要は, まずオープニング画面から始まり, そこをクリックすると, SIASの各項目(Motor Function・Reflex・Muscle Tone等)の選択画面ヘジャンプする. ユーザーは, ここで評価する項目を選択する. 例えば, Motor FunctionのKnee-Mouth Testを選ぶと, 左画面にその方法が動画または静止画としてデモンストレーションされる. 右画面は検査結果を入力するボタンが配置されており, 該当するボタンをクリックすれば入力の終了である. 次の検査項目を選択する場合は, 検査選択画面へ戻って上記の操作を繰り返す. 最終的な項目得点と合計得点は, 検査選択画面の得点表示ボタンをクリックすることにより, 得点表示画面に表示される. 得点のファイル書き込みに関しては, テキストファイルとして自動保存される. テキストファイル形式(カンマ形式のCSVファイル)のため, 各種のワープロ・表集計・データベースソフトで読み込み, 加工することができるよう配慮した. 今後の課題 Authorwareの作製には, オリジナルの素材収集と単純で見栄えの良いユーザーインターフェースの構築が重要である. そのため, 実際にユーザーの使用感をモニターして, インターフェースの改良を継続し, ノウハウを蓄積することが必要と考えられる. また将来的には, ソフト開発における仕様の統一とユーザーへの配信をインターネットを媒体として行っていきたい.
ISSN:0289-3770