14. 最近当院で経験した脳脊髄液減少症の2症例

脳脊髄液減少症による頭痛に持続硬膜外生理食塩液注入および硬膜外自家血注入(以下, EBP)を行い治癒した2症例を経験した. 「症例1」:38歳の女性で, 2008年9月24日突然頭痛が出現し, 近医に入院したが軽快せず, 10月6日当院に転院し, 入院時起立時に激しい頭痛と嘔気・目眩があり, RI脳槽・脊髄液腔シンで早期膀胱内RI集積があった. 不安感・恐怖感が強いため, まず, 持続硬膜外生理食塩液注入を行った. Th10/11よりカテーテルを挿入し, 12ml/時で生理食塩液を注入し, 1週間後頭痛が半減, 精神的に安定し, EBP(Th9/10より15ml注入)を施行し, 頭痛は軽快した...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 17; no. 2; p. 183
Main Authors 中條浩介, 佐野愛, 三木美津子, 宮脇有紀, 別宮小由理, 野萱純子, 白神豪太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2010
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ISSN1340-4903

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Summary:脳脊髄液減少症による頭痛に持続硬膜外生理食塩液注入および硬膜外自家血注入(以下, EBP)を行い治癒した2症例を経験した. 「症例1」:38歳の女性で, 2008年9月24日突然頭痛が出現し, 近医に入院したが軽快せず, 10月6日当院に転院し, 入院時起立時に激しい頭痛と嘔気・目眩があり, RI脳槽・脊髄液腔シンで早期膀胱内RI集積があった. 不安感・恐怖感が強いため, まず, 持続硬膜外生理食塩液注入を行った. Th10/11よりカテーテルを挿入し, 12ml/時で生理食塩液を注入し, 1週間後頭痛が半減, 精神的に安定し, EBP(Th9/10より15ml注入)を施行し, 頭痛は軽快した. 「症例2」:50歳の女性で, 2009年1月29日突然頭痛が出現し, NSAIDsでいったん頭痛は軽減したが, 2月26日に強い頭痛が再発し3月3日当院入院した. 頭痛は立位で増強し, 臥位により消失した. CTミエロでC1-Th1の硬膜外への造影剤漏出があり3月12日にEBP(Th9/10より, 15ml注入)を施行し, 翌日に頭痛は軽快した. 「考察」:症例1は, EBPに対する不安, 不信感が強かったが, 持続硬膜外生理食塩液注入が, 患者のEBPの受け入れに有効であった. 症例2は, 髄液漏出の部位診断に際して, CTミエログラフィーが有用であった.
ISSN:1340-4903