11.柴胡桂枝湯が有効であった三叉神経痛患者の検討
はじめに:三叉神経痛は発作的な電撃痛をきたす疾患であり, おもに抗けいれん薬, 神経ブロック, 三叉神経血管減圧術等にて治療される. 今回, 柴胡桂枝湯が有効であった三叉神経痛患者を3例経験したので報告する. 症例1:84歳, 女性. 24年前に左下顎に電撃痛が出現. カルバマゼピンと神経ブロックによる治療が困難となったため当科紹介受診. 柴胡桂枝湯内服3日目より電撃痛は軽減し, 服用40日目にはほぼ消失した. 症例2:68歳, 女性. 23年前に左額に発作性の刺痛が出現. バルプロ酸ナトリウムにて治療されていたが, 疼痛が増悪したため当科紹介受診. 柴胡桂枝湯内服4日目より刺痛が軽減し, 服...
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          | Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 13; no. 4; pp. 443 - 444 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本ペインクリニック学会
    
        2006
     | 
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| ISSN | 1340-4903 | 
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| Summary: | はじめに:三叉神経痛は発作的な電撃痛をきたす疾患であり, おもに抗けいれん薬, 神経ブロック, 三叉神経血管減圧術等にて治療される. 今回, 柴胡桂枝湯が有効であった三叉神経痛患者を3例経験したので報告する. 症例1:84歳, 女性. 24年前に左下顎に電撃痛が出現. カルバマゼピンと神経ブロックによる治療が困難となったため当科紹介受診. 柴胡桂枝湯内服3日目より電撃痛は軽減し, 服用40日目にはほぼ消失した. 症例2:68歳, 女性. 23年前に左額に発作性の刺痛が出現. バルプロ酸ナトリウムにて治療されていたが, 疼痛が増悪したため当科紹介受診. 柴胡桂枝湯内服4日目より刺痛が軽減し, 服用17日目には消失した. 症例3:63歳, 男性. 11年前に右下顎に発作性の電撃痛が出現. その後三叉神経I, II枝領域にも電撃痛が拡大したため当科外来受診. 三叉神経節サーモを施行し疼痛は軽減していたが, 右額の電撃痛が再発した. 柴胡桂枝湯内服4日目より電撃痛の程度が低下し始め, 服用14日目には電撃痛はほぼ消失した. 結語:三叉神経痛患者に対し, 柴胡桂枝湯が有効である3症例を経験した. 侵襲的治療を行う前に, 柴胡桂枝湯を試す価値があると考えられる. | 
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| ISSN: | 1340-4903 |