1-B-135 オピオイドローテーションにおけるモルヒネ漸減とフェンタニルTTS漸増法の有用性

モルヒネ製剤による癌性疼痛治療中, 鎮痛効果と有害な副作用のバランス保持が困難になったときは, オピオイドローテーションが必要になる. 現在本邦で行うことのできるオピオイドローテーションは, モルヒネ製剤からフェンタニルTTSへの切り替えだけである. 今回, 高用量のモルヒネ製剤からフェンタニルTTSへ一期的に切り替えたところ, 退薬症候と考えられる症状を呈し, 疼痛管理や副作用対策に難渋した症例を経験した. その経験をふまえて, 高用量のモルヒネ製剤による癌性疼痛管理中, オピオイドローテーションが必要となった症例にフェンタニルTTSへ切り替える際, モルヒネ製剤の漸減とフェンタニルTTSの...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 10; no. 3; p. 373
Main Authors 行田泰明, 佐野博美, 田中清高, 横田美幸, 吉澤明孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2003
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ISSN1340-4903

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Summary:モルヒネ製剤による癌性疼痛治療中, 鎮痛効果と有害な副作用のバランス保持が困難になったときは, オピオイドローテーションが必要になる. 現在本邦で行うことのできるオピオイドローテーションは, モルヒネ製剤からフェンタニルTTSへの切り替えだけである. 今回, 高用量のモルヒネ製剤からフェンタニルTTSへ一期的に切り替えたところ, 退薬症候と考えられる症状を呈し, 疼痛管理や副作用対策に難渋した症例を経験した. その経験をふまえて, 高用量のモルヒネ製剤による癌性疼痛管理中, オピオイドローテーションが必要となった症例にフェンタニルTTSへ切り替える際, モルヒネ製剤の漸減とフェンタニルTTSの漸増を併用してオピオイドローテーションを行ったところ, 退薬症候も見られず, 良好に疼痛管理や副作用管理を行えた. 高用量モルヒネ製剤からフェンタニルTTSへオピオイドローテーションを行う際には, 一期的な切り替えより, モルヒネ製剤の漸減とフェンタニルTTSの漸増を用いた方が, 退薬症候などを合併せず, 良好にオピオイドローテーションができると考えられた.
ISSN:1340-4903