3 免疫グロブリン療法反応良好であったが発症1ヵ月後に冠動脈瘤を認めた川崎病の1女児例

「はじめに」川崎病の急性期治療のガイドラインでは, 冠動脈病変の出現が始まるとされる第9病日までに治療が奏効し, 炎症が鎮静化することが重要であるとされている1). 発熱以外の症状が遷延する場合は, 解熱後も炎症が残存している可能性を示唆し, 冠動脈病変のハイリスク群と考えられている2). 今回, 免疫グロブリン療法に反応良好で, 早期に解熱し主要症状が消退したにもかかわらず, 回復期に冠動脈瘤形成を認めた1例について報告する. 「症例」5ヵ月, 女児. 39℃台の発熱, 眼球結膜の充血, 発疹, 口唇発赤が出現し, 第4病日に川崎病を疑い入院した. 入院時の検査所見(表1)は, WBC 9,...

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Published in心臓 Vol. 45; no. 11; pp. 1450 - 1451
Main Authors 斎藤良彦, 益田博司, 小穴慎二, 小室久子, 余谷暢之, 土田尚, 石黒精, 阪井裕一, 佐々木瞳, 金子正英, 小野博, 賀藤均, 伊藤秀一, 阿部淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団・日本循環器学会 15.11.2013
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ISSN0586-4488

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Summary:「はじめに」川崎病の急性期治療のガイドラインでは, 冠動脈病変の出現が始まるとされる第9病日までに治療が奏効し, 炎症が鎮静化することが重要であるとされている1). 発熱以外の症状が遷延する場合は, 解熱後も炎症が残存している可能性を示唆し, 冠動脈病変のハイリスク群と考えられている2). 今回, 免疫グロブリン療法に反応良好で, 早期に解熱し主要症状が消退したにもかかわらず, 回復期に冠動脈瘤形成を認めた1例について報告する. 「症例」5ヵ月, 女児. 39℃台の発熱, 眼球結膜の充血, 発疹, 口唇発赤が出現し, 第4病日に川崎病を疑い入院した. 入院時の検査所見(表1)は, WBC 9,500/μL, CRP 7.3mg/dL, D-dimer 3.3μg/mL, Na 135mEq/L, Alb 3.6g/dL, 群馬スコア2点だった. 第5病日にアスピリン内服と免疫グロブリン療法(2g/kg)を施行し, 24時間以内に解熱と症状の消退が得られた.
ISSN:0586-4488