Volume 164 アジソン病
「アジソン病とは」アジソン病とは, 後天的な副腎異常によって副腎皮質機能低下をきたす疾患の総称である. すなわち, 下垂体機能低下などの二次性副腎不全や, 先天性副腎皮質過形成症などの先天的な原発性副腎不全は除外される. アジソン病の病因として, 原因不明の特発性と, 感染症やその他原因によるものに大別される. 特発性アジソン病は主に自己免疫性副腎皮質炎による副腎皮質機能低下症である. 抗副腎抗体陽性のことが多く(60~70%), ステロイド合成酵素のP450scc(CYP11A1), P450c21(CYP21A2), P450c17(CYP17)などが標的自己抗原とされている. 複数の内分...
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Published in | 新薬と臨牀 Vol. 74; no. 7; pp. 733 - 736 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
医薬情報研究所
10.07.2025
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ISSN | 0559-8672 |
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Summary: | 「アジソン病とは」アジソン病とは, 後天的な副腎異常によって副腎皮質機能低下をきたす疾患の総称である. すなわち, 下垂体機能低下などの二次性副腎不全や, 先天性副腎皮質過形成症などの先天的な原発性副腎不全は除外される. アジソン病の病因として, 原因不明の特発性と, 感染症やその他原因によるものに大別される. 特発性アジソン病は主に自己免疫性副腎皮質炎による副腎皮質機能低下症である. 抗副腎抗体陽性のことが多く(60~70%), ステロイド合成酵素のP450scc(CYP11A1), P450c21(CYP21A2), P450c17(CYP17)などが標的自己抗原とされている. 複数の内分泌腺が自己免疫の標的となる多腺性自己免疫症候群(autoimmune polyglandular syndrome: APS)の主要な構成因子となり, 特発性副甲状腺機能低下症, 慢性皮膚粘膜カンジダ症を伴うAPS1型, 橋本病を合併するAPS2型(Schmidt症候群)などが含まれる. また, 後天性免疫不全症候群(AIDS)症例などでは結核菌, 真菌, サイトメガロウィルス感染症などによる壊死性副腎炎から副腎不全をきたす. |
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ISSN: | 0559-8672 |