ウシ生体を用いた黄体形成期における黄体内のプロスタグランジン(PG)F2αおよびPGE2濃度の経時的変化

形成期ウシ黄体内プロスタグランジン(PG)F2α とPGE2が、他の時期の黄体に比べて活発に産生されていることはよく知られている。しかしながら、排卵後の成長過程にある黄体からのPG放出に関する生体レベルの情報は今のところ存在しない。したがって、本研究は、形成期ウシ黄体内おけるPGF2αとPGE2分泌の変化を経時的に観察することを目的とした。また、別のウシを用いて、周期黄体内のPG合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2(Cox-2)mRNA発現も調べた。6頭のウシを過剰排卵処置後、GmRH投与3日目(排卵後約1.5日目)の複数の形成期初期の黄体に微透析システムを外科的に装着した。形成期黄体内のP...

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Published inThe Journal of reproduction and development Vol. 48; no. 6; pp. 583 - 590
Main Authors 小林, 修一, Acosta, T.J, 林, 加奈子, Berisha, B, 小澤, 崇洋, 大谷, 昌之, Schams, D, 宮本, 明夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.12.2002
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ISSN0916-8818

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Summary:形成期ウシ黄体内プロスタグランジン(PG)F2α とPGE2が、他の時期の黄体に比べて活発に産生されていることはよく知られている。しかしながら、排卵後の成長過程にある黄体からのPG放出に関する生体レベルの情報は今のところ存在しない。したがって、本研究は、形成期ウシ黄体内おけるPGF2αとPGE2分泌の変化を経時的に観察することを目的とした。また、別のウシを用いて、周期黄体内のPG合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2(Cox-2)mRNA発現も調べた。6頭のウシを過剰排卵処置後、GmRH投与3日目(排卵後約1.5日目)の複数の形成期初期の黄体に微透析システムを外科的に装着した。形成期黄体内のPGF2αおよびPGE2の放出は、最初の24時間活発であり、その後減少した。この変動は、卵巣静脈中のPG濃度によく反映されていた。さらに、形成期黄体におけるCox-2mRNA発現レベルは、他の時期に比べて多かった。今回の実験結果は、黄体内でのPG分泌についての初めての生体レベルの情報であり、形成期黄体内でのPG産生が、排卵後3日目までという短期間において活発であることを示している。
Bibliography:ZZ00014744
661591
ISSN:0916-8818